「令和4年度決算 総括質疑」 60分間の質疑を行いました。

10月10日に「令和4年度決算 総括質疑」
日本維新の会 神戸市会議員団を代表し、市長・副市長・教育長に対して、
60分の時間をいただき質疑を行いました。

1.「行財政改革2025」
ⅰ)「行財政改革2025」の効果について
神戸市は「行財政改革方針2025」を策定し、全庁業務のデジタル化を進める事で行財政改革につなげ、持続可能な行政サービスや新たな課題に迅速に取り組むための財源確保を実行しているが、効果を含めた進捗状況や現時点での課題点について伺う。
ⅱ)DXの推進とシステムの導入について
以前、市の図書館の蔵書検索システムが平成29年から5年間で4億円近い特命随意契約で運用、保守業務されていたことから、維新会派の黒田議員より、新システム導入に当たっては、オーダーメイドではなく、運用・保守業務のコスト面を考慮した汎用的なシステムを導入していく必要があると質疑をさせていただいたところであり、同様に、今後DXを進めていく上で、各部署で自治体システムを導入する際には、パッケージ化されたシステムを導入するなど、利便性はもちろん、運用や保守業務のコスト面を考慮するべきだと考えるが見解を伺う。
(要望)
「行財政改革2025」を進めていただいているなか、当初の予定よりも、なかなか進まないもの、新たな課題が生じているのかも含めて、次期プランに反映させていただきたいと思う。
また、システムの導入に関しては、ベンダーロックイン状態になってしまえば、新しい技術の導入や採用を実行する際に制約を受け、最新技術を導入することが難しくなる可能性があると思う。
運用や保守業務のコストが高すぎることのないようにするためにも自治体システムにおける契約については検証を日々、行っていただきたいと思う。
神戸市役所内で専門人材育成、仕事の継承も進めていく必要があり、契約の柔軟性を確保しなければならないと考えており、今後進めていただきたいと要望する。
2.行政委員報酬の日額への変更について
先日の県議会にて、維新の会からの質疑により、兵庫県の行政委員報酬を月額制から日額制に見直す方針が示され、新聞報道もされた。
神戸市では、教育委員会、人事委員会、監査委員会、選挙管理委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会といった行政委員会のほか、数多くの審議会など附属機関等が設置されている。
これまで神戸市は、行財政改革に取り組んでおり、そうした観点からも附属機関の委員の報酬については日額で支給されているが、行政委員会の委員の報酬については、市民に理解されやすい制度とするためにも、月額報酬から日額報酬へ改正することの見解を伺う。

 

(要望)
政令指定都市 20市の状況を見てみると、
教育委員会は6市・市選管は7市・区選管は8市・人事委員会は6市・監査委員会は2市が日額制を導入している。
特に名古屋市・大阪市の2市が日額報酬制の導入が進んでおり、導入している都市では問題は生じていない現状であると思う。
行政委員に関しては、明らかに開催回数が少なく、月額報酬と合っていないものもあると感じている。
それに加え、付属機関への、費用対効果と時間対効果の検証、事前説明についてはオンラインでの選択ができるなど、これらの見直しや検討もしていただきたい。
3.教育委員会の機能強化と活性化について
令和5年7月19日文部科学省により、「『令和の日本型の学校教育』を推進する地方教育行政の充実に向けて」と題される報告書が公表された。
その中には、教育委員会の機能強化や活性化への方針が示されており「総合教育会議の在り方」については、
・大きな課題が生じた際に柔軟に総合教育会議の必要性を検討すること
・いじめ重大事態をはじめとする緊急の場合の速やかな総合教育会議等を通じた協議と調整の実施の徹底
・有識者等の参画や首長の学校視察など総合教育会議の活性化の促進
・首長部局に教育委員会との連絡や調整を行う部署を設け、総合教育会議の事務局を任せること。と示されている。
市長と教育委員会が教育の課題やあるべき姿を共有し、相互に連携を図りながら効果的に教育行政を推進していくために設置されている「神戸市総合教育会議」について、令和4年度は1回のみの開催であった。
そこで教育委員会と市長との連携、更なる充実に向けて聞くが、R4年度は「いじめの重大事態事案」が50件にものぼり、ICTを活用した授業推進や学習効果の課題、教員の働き方改革やハラスメント問題、不登校問題、公文書の取り扱いなど、教育現場には様々な課題が存在すると考えており、課題に対して総合教育会議でも市長の考えを交えながら、しっかりと議論を行い、改善へと進めていく必要あると考える。
総合教育会議をより積極的に開催するべきと考えるが見解を伺う。
(再質疑1) 給食費無償化について
給食における食材の確保、味の向上についても重要であるが、給食費の無償化についてお聞きしたい。
局別審査において、保護者の経済的負担軽減の観点から段階的に給食無償化について質疑を行ったが、国においては、「小中学校での給食の実施状況や地方自治体による無償化の現状について全国規模の実態調査を行い、1年以内にその結果を公表する」とされているなか、国の動向をみるとのことであった。
大都市を含め、給食無償化を実施している自治体もあるなか、まさに地方から国を動かさなければならないと考える。
1つの案として、令和6年度より小学校給食の公会計化が始まり、未納対応など教員の事務負担の軽減に繋がると思うが、公会計化のタイミングで給食費の無償化も導入できれば、未納対応の事務自体が不要となり、子育て世代への支援にもつながると思う。
神戸市は、国の動向を待たずに、小・中学校の義務教育学校の給食費の無償化を進めていただく。
2つ目の案としては、
中学校給食全員喫食提供体制については、2026年1月に全ての中学校で開始される,
令和5年5月1日現在の生徒数は、
小学生 約70,300人
中学校 約33,600人
全員喫食が2026年1月に全ての学校で中学校給食が提供されることから、段階的に、中学校の全員喫食、そして、生徒数の少ない中学校から給食無償化を実行し、その後に小学校の給食無償化を進めていくのはどうだろうか?
予算の確保や準備が必要であり、段階的にでも進めていくべきだと考えるが市長の見解を伺う。
(再質疑2)教員の働き方改革と人材確保について
教育現場で働く教員の働き方改革を着実に行い、優秀な人材を確保し能力を発揮していただくことが重要である。
働き方改革を進める上で優秀な教員の採用と育てることも重要であるが、教員以外の専門スタッフの参画していただくことも重要であると考える。
教員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、ICTのサポートスタッフなどの確保も進めていく必要があり、一定の拡充はしているが、まだまだ人員不足である。教員と専門人材の確保について、進めなければならないと考えているが、現状の取り組みと今後の方針について伺いたい。
4.大阪・関西万博に向けて
大阪・関西万博の開催に合わせて、兵庫県内で展開していく「兵庫フィールドパビリオン」の認定事業を見ると、令和5年8月22日時点では、尼崎市、宝塚市、三田市、西脇市、小野市などの行政が事業提案し、認定を受けている一方、神戸市行政による事業提案は入っていない。
神戸市も行政として力を入れ、今回の万博開催にあたっては神戸をより知っていただき、神戸の魅力を発信していく絶好の機会であると考えている。
神戸市では、登山プロジェクトやサイクリングの推進など魅力ある体験コンテンツにも力を入れており、アニメツーリズムや医療ツーリズムなどを視野に入れ、神戸観光局とも連携しながら、神戸市が行政として「フィールドパビリオン」へ参加し、積極的に万博を盛り上げていくべきだと考えるが、見解を伺う。
(再質疑)
神戸空港国際化も控え、来場者の窓口となる神戸市においても、また、神戸の賑わいを創出する起爆剤とするためにも、まちを挙げて万博への機運を高めていくことが必要ではないか。例えば、市所有の施設、庁舎や空港でカウントダウンボードを設置したり、市バスや地下鉄に広告を掲示したりするなど、利用できるところは利用しながら、万博を発信し、盛り上げる取り組みをすべきと考えるが、見解を伺いたい。
(再質疑)
万博を神戸市として盛り上げていくにあたって、
例えば、市内の小中学生に万博を校外学習体験してもらうことができたら、
子ども達への貴重な体験や家庭内でも万博の話題が子ども達の保護者の方にも知っていただくことができるなど、良い取り組みだと思うが実現できないか?
(再質疑)
三宮再整備に当たっては、神戸空港が国際化し、今後さらに神戸空港の利用が広がることを念頭に置いておく必要があると考える。特に、神戸空港から都心を通り、新神戸駅に至る動線を意識した整備をすることが重要であると考えているが、新神戸駅から都心部、そして、ウォーターフロントエリアへの移動に関しては、LRTの導入、都心から神戸空港への移動に関しては、バス専用車線の設置、いわゆるBRTの検討など今後の方針や進捗状況などあれば、教えていただきたい。
(要望)
朝7:30~9:30ごろまで、ポートアイランドキャンパス行きのバスを待つ学生の方々が、神戸阪急の建物を回るように長蛇の列を作っている。
こうした神戸阪急前バス停の混雑や長蛇の列については早急に対応していただきたい。
また、渋滞が頻繁に発生している三宮東交差点については、円滑な交通処理に向けた対応が必要なため、案内表示等を設置し迂回路へ誘導する対策についても対応いただきたいと要望する。
(再質疑)
三宮クロススクエアに関しては、人中心の空間を創出していくことが計画されているが、現在でも、三宮の北側では、サンキタ広場やサンキタ通りの汚れやゴミの問題等が発生している。また、南側では、東遊園地付近のフラワーロードや、磯上公園付近の自転車専用通行帯(自転車レーン)において、路上駐停車が見受けられたりと課題がある。
今後、三宮クロススクエアの整備を進めていきたいのならば、景観、交通、ゴミの問題に配慮し、課題を解決しなければ同じ状況が起こるのではないのか、この問題を早期解決しなければならないと考えるが見解を伺う。
(要望)
サンキタ通りにおいて事業系のゴミが夕方から歩道に放置されている問題、客引きの問題についても、兵庫県には条例があるが、改善されていない状況であり、兵庫県と連携していただきたい。
そして、三宮周辺、フラワーロードの路上駐車、磯上公園周辺の路上駐車への対策のほうも要望する。
6.王子公園再整備について
王子公園再整備について、大学設置・運営事業者が学校法人関西学院に決定し、大学設置についてどのように行うのかというイメージは大まかには公開されているが、既に優先交渉権者が1団体に決定した「今」、競争のために具体的な案を伏せておくという時期ではもうないと考えている。
地域住民や市民に対して、大学の詳細を公表するべきと思うが、現状の検討状況と合わせて伺う。
(再質疑)
現在、示されている立体駐車場から動物園の入口に向かうには坂を下らなければならず、ベビーカーや車いすの方には不便が生じると思う。
再整備にあたっては、車を動物園の入口正面に停車し乗降していただけるようにするか、基本計画(素案)にある動物科学資料館の出入り口から配慮が必要な方は再入場に限らず、入場していただくようにするなど、誰もが利用しやすい施設にすべきと考えるが、見解を伺いたい。
(再質疑)
立体駐車場ついて、一階部分にバスが入ることになり、駐車場の高さはどれ位になるのか。また屋上にテニスコートを持ってくることに伴い、防球ネットを設置するとの説明が、文化スポーツ局の分科会であったが、防球ネットの高さを含めて、立体駐車場の高さはどうなっているのか?
景観にも配慮しながら整備をするべきと考えるが、見解を伺いたい。
(要望)
動物園の再整備を計画しているが、より分かりやすく滞在しやすい、動線と環境についても重視して考えていただきたい。
市民への説明会でも公園の景観については、しっかりと説明していただきたい。
7.区役所の権限強化について
人口減少社会において、都市間競争のなかで神戸市が暮らしやすく、選ばれる街になることが重要であると考えるが、同時に、神戸市内でも各区がそれぞれの地域に応じた取り組みを行い、各区の間でも良い競争が生まれるべきだと思う。
同じ市内でも、区によって地形、風土、人口減少率、子どもの人数など様々な差異があり、それぞれ特色に応じた取り組みが必要であるのではないか?
各区に配分する予算を増やし、区長は当て職にせず権限を広げ、地域ニーズに合った、新たな成果を上げるためにチャレンジし、各区が自発的にその地域にあった取り組みをしていくべきではないかと考えているが見解を伺う。
(要望)
こども家庭局の分科会でも質疑をしたが、全国的に少子化が進んでいるなか、神戸市では、各区によって人口減少率・環境・地形も異なる。
そうした各区で課題が異なることもあり、各地域に合ったピンポイント的な人口減少対策や少子化対策の施策を実行していく必要であり、区役所とも連携を行うことは重要であると思う。
各区の子育て世帯への調査、地域に合った必要な施策の検討を行い、新たな試みにチャレンジしていただきたいと思う。
8.神戸の情報発信について
代表質疑でも神戸市の動画の発信については指摘させていただいたところだが、やはり動画やSNSの発信は影響力が大きく、重要であると考えている。
久元市長は先の本会議での御答弁で、「組織の発信力、そしてトップである市長自らの発信力を高めていく」と言われていたが、現在社会において市民を含めた不特定多数へ、XやFB、インスタグラムなど、SNSでの発信は効率かつ有効に発信できると思う。
市長会見やブログは、されているが、随時チェックしている市民は、なかなかいないと思う。首長として神戸の施策や魅力をSNSを利用し、プッシュ型で発信するべきではないかと考えるが見解を伺う。
(要望)
神戸市の様々なSNSでの発信に関しては、やはりトップである市長自らの発信力は高いと考えている。
市長自らの発信については、人間性や別の一面も見ることができるメリットもあり、市長のSNSの発信に復帰いただけることを期待する。
また、兵庫県では「SNSの誹謗中傷対策へ」条例を検討しているとのことであり、維新の会としても、以前より誹謗中傷の対策についても取り組んでいく必要があると動いておりますが、なかなか進んでいない状況であるが、他の会派の皆様にも御協力いただき進めていきたいと考えている。