令和3年度神戸市各会計決算及び関連議案に関する各会派の意見表明を会派を代表して行いました。
令和3年度神戸市各会計決算及び関連議案に関する各会派の意見表明を会派を代表して行いました。
令和4年10月13日
意見表明 日本維新の会 神戸市会議員団
日本維新の会神戸市会議員団は、令和3年度神戸市各会計決算及び関連議案について、以下の理由により、要望16件を付して認定・承認いたします。
(理由)
令和3年度神戸市各会計決算では、扶助費や公債費などの義務的経費が増加し厳しい決算内容ではありますが、基礎的財政収支の黒字を確保したことは評価いたします。
しかしながら、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻などの国際情勢による原油価格や物価高騰など市民生活への負担の増加や、超高齢社会の進展により社会保障関係費の更なる増加などが見込まれるなど厳しい社会情勢が続いています。また自動車事業会計や高速鉄道事業会計は多額の赤字を計上し、累計資金不足は拡大しました。今後も厳しい経営環境、財政状況が続くことが予想される中、「市民の足」である公共交通としての役割を果たすべく、不退転の決意を持って抜本的な経営改革を行う必要があります。
2025年神戸空港の国際チャーター便の受け入れ、2030年の定期便就航に向け、観光施策だけでなく、ビジネス活用に関しても、国際化による恩恵を最大化できるような施策展開を神戸市全体で早急に取り組んでいかねばなりません。「withコロナ」の時代を乗り切り、持続的な神戸経済の成長を目指すための更なる行財政改革を推し進めることを期待し、令和3年度神戸市各会計決算を認定し関連議案を承認いたします。
(要望事項)
1. 王子公園の再整備については、本質的な議論を行うためにも、全体の事業費や大学誘致による収入などを早急に公表すること。また経済的観点だけではなく地域全体や近隣地域への貢献を市民により分かりやすく丁寧に示していくこと。
2. 新産業の育成・集積については、500Globalと連携した起業家育成オンラインプログラムや、アンカー神戸との役割分担を明確にしながらイノベーションの創出、企業誘致の推進を図ること。またIT・デジタルコンテンツなど、より特色のある産業の誘致を強化すること。
3. ICT活用やDXの推進による業務の効率化、行政サービスの向上を図ると共に、深刻化・複雑化するサイバーセキュリティの確保を国、民間事業者との連携を強化しながら徹底すること。
4. 大阪・関西万博の経済波及効果を最大限に取り込んでいくため、市内事業者への受注機会の確保をはじめ、世界から注目を集めるイベント誘致や、空飛ぶクルマの離発着場の設置、神戸と夢洲を結ぶ海上ルート誘致など神戸経済の活性化に繋がる取り組みを推進すること。
5. 公設公営の施設管理や大型再整備については、政策的・投資的事業効果を適切に見極めると共に、民間資金・活力を最大限活用しながら、最小の経費で最大の効果を得られるよう鋭意取り組むこと。
6. 外郭団体に関しては、民間で行い得る事業は民間で行い、団体のミッションを明確にし、評価・検証することにより役目を終えた団体に関しては速やかに整理統合、民間移譲を行うこと。
7. 第7波における大規模な感染拡大を踏まえ、限りある医療資源を有効活用し、重症化リスクの高い高齢者等の命を守る対策が急務であることから、オンライン診療、ファストドクター等を含め往診医師を確保すると共に、第8波に備えた医療提供体制を構築すること。
8. 家庭の経済状況による教育格差の是正を図り、子育て世帯の負担軽減を図る学習支援事業については各局連携の上、更なる拡充、環境整備を進めていくこと。
9. 神戸空港の国際線就航の実現に向け、必要な空港基本施設、ターミナル整備、災害対策等を着実に進めていくと共に、国際チャーター便利用者のニーズ把握や、それに基づく受入体制の構築など、早急に誘致の取り組みを進めていくこと。
10. 神戸空港の国際化や国内線増便に向け、教育旅行や企業インセンティブツアー、MICE誘致の推進や市内企業の海外展開など、ビジネスでの空港利用促進を官民連携により強化し、確実に神戸経済の成長につなげていくこと。
11. 神戸空港の国際化に向け、バスやポートライナーの輸送力強化、連絡橋の拡幅などのアクセス改善を着実に進めると共に、来訪者を魅了するようなウォーターフロントへの海上航路の検討を進めること。
12. 高速鉄道事業、自動車事業は経費削減等これまでの経営改善と共に、収入増に向け、単なる輸送手段ではなく、乗車が目的となるような事業を行うなど、柔軟な発想を持ち、不退転の決意を持って抜本的な経営改革に取り組むこと。
13. 小中学校のインターネット教育については、ネットいじめや有害サイトへのアクセス等、実際にトラブルになる可能性の高い内容を精査し、教育委員会が基本方針を示した上、全校での予防策を講じること。
14. 中学校給食全員喫食制については、北部学校給食センター候補地の変更を受け、民間デリバリー方式、親子方式との適切な組み合わせにより、全校で温かい給食が提供できる体制を再構築すること。また給食時間が短い課題については、食育の観点からも全員喫食制への移行を待たず、早急に改善を図ること。
15. 不登校児童生徒については、必要な情報提供や助言、ICT等を通じた学習の機会、家庭等への訪問など、それぞれの環境に応じた支援策の充実を図ること。
16. 弾道ミサイルの飛来など日本への武力攻撃事態等への対処として、緊急一時避難施設の確保・充実を図ると共に、全国瞬時警報システム(Jアラート)が発動した際の取るべき行動について、市民への周知徹底を図ること。