令和3年度予算特別委員会第1分科会(企画調整局)議事録
令和3年度予算特別委員会第1分科会(企画調整局)議事録
○分科員(三木しんじろう)
日本維新の会の三木しんじろうでございます。
一問一答にてよろしくお願いいたします。
まずは、がんの光免疫療法についてお聞きさせていただきます。
この光免疫療法は、がん細胞に結合する抗体医薬とレーザー光を組み合わせ、がん細胞をピンポイントで破壊するという治療法であります。先日、神戸市、そして楽天メディカルジャパン、神戸大学の3者で新たながん治療の研究開発に関する連携、そして共同協定が締結され、がんに対する第5の治療法として期待をされております。
この光免疫療法について、産官学医で連携を進めることが発表をされました。少し御説明をさせていただきますと、この光免疫療法は、西宮出身でアメリカ国立衛生研究所の小林久隆主任研究員が開発したがんの画期的な治療法であります。小林医師は、アメリカでこの療法を開発し、8年前のオバマ大統領の演説で、これからアメリカで画期的ながん治療が始まるとオバマ大統領に言わしめた革新的ながん治療法であります。この療法では、がんの抗体に入ったRM-1929という薬剤を静脈注射し、しばらくしてがんの部分に赤外線を照射すると、数分でがん組織が消滅するという治療方法です。数年前、楽天の三木谷社長のお父様で、元神戸大学経済学部の教授でいらっしゃった三木谷良一さんのがんを何とか治す治療法がないかと探しておられて、この治療法に行き着いたらしいのですけれども、残念ながら間に合わず、お父様の三木谷良一さんは亡くなられてしまったということであります。
この光免疫療法に感動した三木谷社長は、楽天メディカル社を設立して、約140億円を出資して、小林久隆さんを応援することにし、小林さんのほうも、薬剤のネーミングをお父様の三木谷良一さんの頭文字RとMを取り、また生まれた年を1929年でいらっしゃったので、RM-1929とされたそうであります。昨年9月に正式承認をされました。この承認され、RM-1929はアキャルックスという新しい名前に変わったとのことです。当面は首から上の頭頸部のがんに使われるようで、また昨年の12月から公的医療保険の適用も決まったとのことであります。この新しいがん治療法の光免疫療法については、新たがん治療法として、このように神戸大学や神戸にゆかりのある楽天メディカルジャパンが関わっていることから、以前から期待を寄せているところであります。神戸市としても、この新たな治療法の実用化に積極的に協力していくべきだと考えますが、この実用化に向けた現状及び今後の取組について、まずはお伺いしたいと思います。
○西尾企画調整局医療・新産業本部長
ただいま御質問いただきました、がん光免疫療法、もう御説明いただきましたように、薬剤とレーザー光によりまして、ピンポイントでがん細胞を攻撃する治療法と言われておりまして、外科手術、抗がん剤、放射線、免疫療法、これらに続く第5の治療法という形で言われておるところでございます。
御説明にもありましたように、楽天メディカル社が令和2年9月に光免疫療法で使用する薬剤と器材につきまして、切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がんを適用として、製造販売承認を取得されまして、12月には保険適用になったものでございます。神戸大学医学部附属病院におきましても、保険診療開始の準備が進められるとお聞きしておるところでございます。これらのことを踏まえまして、光免疫療法の実用化を支援するために、令和3年2月9日に、神戸市、神戸大学、楽天メディカルの3者で光免疫療法の研究開発に関する連携協定を締結したところでございます。この中で、本市におきましては、神戸市内の医療機関でありますとか、研究機関及び企業、この辺りとの連携促進に向けたコーディネートを精力的にやっていくということとさせていただいております。一方、神戸大学におきましては、国際がん医療研究センターを拠点に、泌尿器領域での光免疫療法の共同研究を開始したと、こういった状況にございます。今後は、消化器がんでありますとか、泌尿器がん、こういった他のがんへの適用拡大を目指して、それぞれに支援をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○分科員(三木しんじろう)
ありがとうございます。
このがんの光免疫療法ですが、神戸のこのようなゆかりのある、画期的な医療技術や治療法を国外に積極的に発信をして、また神戸医療産業都市の認知度の向上に努めるべきであると考えているところです。
一方で、医療産業都市、この取組は専門的な内容が多く、市民の方々にはなかなか伝わりにくいという事実もあると思っております。こうした医療技術や治療法の開発、そして実用化などを今後は市民にも分かりやすく発信していく、そうした必要もあると思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○花谷企画調整局担当部長
神戸医療産業都市の取組を市民、そして国内外に発信することは非常に重要と考えております。
御指摘のとおり、専門的な内容が多く、市民に伝わりにくい点は承知をしております。この市民をはじめとする国内に向けた広報の取組といたしまして、従来からホームページやSNS、そして市民向けイベント、一般公開などで情報発信をしております。また昨年11月、12月には、日経新聞にてhinotoriやPCR自動検査ロボットなど、神戸医療産業都市を紹介する記事を掲載しております。また新たな取組として、分かりやすい情報発信を行うという目的で、大学生と一緒に市民向けパンフレットを制作しております。このような取組を通じまして、市民にも分かりやすい情報を発信していく、この取組を続けたいと考えております。
○分科員(三木しんじろう)
ありがとうございます。取組を積極的に進めていただきたいというふうに思っております。
続いて、神戸市におけるDXの推進についてお聞きしたいと思います。
先日、代表質疑で、うちの維新の会のながさわのほうからも質疑をさせていただいたところでありますけれども、この神戸市選定の40の手続と、そして国指定の17の手続、合計57の手続を中心にスマート化を進めるということであります。これまたBPRも行っていただいて、スピード感を持って取り組んでいただきたいところであるんですけれども、今年の令和3年3月下旬には所管局と調整を行って、主要40の手続を決定するということですが、神戸市には、DXの推進に当たっては、自治体の先頭を走っていただきたいと私は思っております。当然国の動向も注意していただく必要もあると思うんですけれども、政令指定都市の神戸市としては、国へ意見書を出す―― これ京都のほうは今やられていると思うんですけれども―― そうしたことをやっていただきまして、積極的に進めていただきたいというふうに思っております。
そして、DX推進に当たっては、庁内の人材育成もやられていると思いますし、進めていかなければならないと思うわけですけれども、このデジタル技術に精通した民間人材、この登用も当然必要であると私は思っております。この民間人材の登用に関する今後の計画、そして考え方、御見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○谷口企画調整局長
デジタルトランスフォーメーション―― 長いんで、DXと私どもはよく言いますけれども、これに関しましては、行財政改革の2025におきまして、令和7年度までに申請件数ベースで70%についてスマート化を進めていくということで、各局のほうに対しましても、40手続を5年間で優先的にスマート化を進めていこうということで、話をしているところであります。そこに加えまして、国のほうから優先的にオンライン化を進めるべきということで、31手続が示されているということで、これ重複する部分もありますので、合わせますと神戸市の40と、それから国のほうからプラス17ということで、57手続をスマート化を進めていくと、こんな感じで考えております。
今後なんですけれども、スマート化を進めるに当たりましては、これまでの業務フローを分析をする。最適化を図っていくという、こういうBPRの考え方というのは非常に重要でして、これを用いて、利用者の利便性向上あるいは職員の業務生産性の向上につなげていきたいというふうに考えてまして、これをもって、目標の早期達成を目指しまいりたいと思っております。
一方で、これに対しても、国のほうの動向というのはしっかり注視をしながら、場合によっては、国のほうに対してしっかり意見を申していくと、こういったことを考えながら、取組を進めてまいりたいというふうに思っています。
民間人材のほうなんですけれども、これもやはり民間人材の知見の活用というのは非常に有効です。そういった意味では、本市におけるデジタル分野における民間人材の活用というのは、従前から積極的に進めてまいりました。今年度にはデジタル化専門官を4名採用するなど、現在も10名を超える多くの民間人材が活躍をしています。来年度はホームページの再構築を担当いたしますホームページ管理官の採用、あるいはイノベーション専門官、デジタル化専門官の増員の予定をしておりまして、新設のDX担当局長をサポートする民間人材についても登用を検討しているということであります。
一方で、内部の人材も、これは非常に重要でありまして、内部人材の育成も非常に力を入れて取り組んでまいりまして、庁内全体で多面的なアプローチから、DXの人材確保・育成を図ってまいりたいと考えております。
以上です。
○分科員(三木しんじろう)
ありがとうございます。民間人材も活用していただけるということで、さらなる活用と、また内部の人材育成も重ねてお願いしたいと思っております。当然内部啓発から進めていくことも重要だと思っております。
BPRに関しても、先ほどおっしゃられたように、行財政局の業務改革課のほうも進められていることもお聞きしておりますので、BPRも行いながら進めていただきたいというふうに思っております。
それで、当然このDX推進に当たっては、市民の利便性の向上、そして業務の生産性の向上につながるというふうにも思っております。神戸市でも、市会のほうでもICT利活用の推進に関する検討会があって、いろいろとペーパーレスとかタブレットを活用するというICTの活用というのも検討されていますけれども、今後、議会事務においても、私自身は、時代に応じて我々議員もそうですし、当局の職員の方々の業務の生産性を向上するため、BPRも進めていただいて、オンライン会議や打合せもオンライン活用していくことを検討していく必要があるというふうに私は思っておりますね。ちょっと意見だけを申し上げておきます。
続きましては、地下鉄の海岸線の活性化についてお聞きしたいと思います。
平成29年度より、市営地下鉄の海岸線において、中学生以下の乗車料金を無料にする社会実験を既に行っております。コロナの影響で乗車率がかなり下がっている。交通局全体ですけれども、下がっているとは思うんですけれども、この無料実験、これ社会実験が実施3年以上が経過しているわけなんですけれども、1つは、これまでの実績についてお聞きしたいのと、もう1つは、今回、社会実験を継続するというふうにお聞きしてますけれども、この継続する理由についてお聞きしたいと思います。
○林企画調整局担当局長
この社会実験でございますけども、若年世代及び子育て世代の沿線地域への交流、それから流入、そして定住を促すことを目的としまして、平成29年7月より実施をしておるところでございます。
実績でございますが、これまでの延べの利用者人数でございますけども、平成29年度は7月からということで、9か月間ということでございます。約7万5、000人、平成30年度は約10万人、令和元年度は約10万1、000人、そして令和2年度は12月31日時点で約5万人となってございます。令和元年度末からは新型コロナウイルスの影響により、利用者は大幅に減少していると、こういう状況でございます。
交通局が令和元年度に実施しました、この利用者アンケートによりますと、利用者の約9割近くの方が、このフリーパスを持つことによって、海岸線に乗車する機会が増えたというふうにされております。さらに、その上で、利用者に大人が同伴する割合というのが、小学生、中学生ともに約6割だったというようなこと、あるいは、買物目的で利用する方が約8割近くあるというふうなこと、こういったことを考え合わせますと、沿線地域における交流あるいは流入人口の増加や、あるいはこの周辺の商業施設への購買促進というものに一定寄与しているのではないかというふうに考えております。
現在、コロナウイルスの影響によりまして、利用者は減少しているわけでございますが、令和3年度以降には、県立の兵庫津ミュージアム―― 仮称でございますけども―― こういったものが開館しますし、また、こべっこランドや、こども家庭センターの移転があるということから、フリーパスの利用需要は高まるものと考えております。これらの新たな施設の開館をはじめまして、様々な市街地整備地域の活性化の施策も踏まえまして、本社会実験によるこの流入、交流人口の促進効果につきましては、さらなる検証が必要ではないかなというふうに考えております。交通局とも連携をしながら、引き続き実験を継続しまして、その効果をしっかりと見極めていきたいというふうに考えてございます。
○分科員(三木しんじろう)
ありがとうございます。コロナの関係で、今年度は少しというか、大幅に減少しているということなんですけれども、今後、おっしゃられたように、こべっこランドとか新たなものができる。また、サッカーの試合も見に行っていただくときに利用もしていただきたいというところなんですけれども、この中央区に関しては、小学校の校区の問題で、なかなか市役所近辺に住まわれている方が、こうべ小学校が校区ということで、地下鉄も無料で利用できて、和田岬のほうに通えることができるんですけれども、なかなかそれがうまいこといってないという現状もあると思います。当然今後は多くの課題もあると思いますし、私自身は、やはり先ほど言われましたように、定住人口と、この夜間人口、昼間の人口もそうですけれども、増加に向けた取組というのは当然していかないと駄目だと思うんですけれども、その企業誘致とかしていただいて、企業も育てていただく。そして雇用につながって、その後は住んでいただいて、その後は納税もしていただくということで、海岸線を毎日のように使っていただく。
もう1つは、以前、私、こども家庭局のほうにも話をしたんですけれども、保育士不足というのもありますし、その保育士さんの学校、専門学校とか、なかなか神戸市が今、利活用できる広い土地がないということなんで、民間とまた組んだりもすることもありだと思うんですね。研究をしていただきまして、また御検討をいただきたいと思います。
それで、最後に、案内サインの整備について、少しお伺いしたいと思います。
先ほど話が出たように、海岸線の中学生以下の無料の社会実験、先ほど言われたように、プロナード整備、兵庫県が整備を進める県立の兵庫津ミュージアム、この会館などが地下鉄の海岸線のにぎわいの向上のために整備が進められていると思います。今後、このにぎわいづくりの整備が進むことを考えると、当然どこに何があるのかということが、市民や観光客の方も含めて、分かりやすい案内サインを整備することが必要だと思っております。この案内サインはどういったものを考えておられるのか。そして当然海岸線を御利用していただくために、沿線に足を運んでいただきますよう、人の流れを当然呼び込むことが必要だと思いますけれども、この辺をどういうふうにお考えになられているのか、お聞きしたいと思います。
○若松企画調整局副局長
サインの御指摘でございます。非常に重要だと考えております。直近では、イオンモールが平成29年にできましたけども、その際にも地下鉄の海岸線の3つの駅前で7基の案内サインを整備しました。今後、兵庫津ミュージアムの初代県庁館が来年度できます。さらに、それに合わせまして、プロムナード、イオンモールの南側から延ばしてまいります。そちらのほうに新たに令和3年度については2基設けますし、その後、新たな施設も出てきてまいりますので、しっかり来訪者の誘導ができるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
○分科員(三木しんじろう)
ぜひとも分かりやすいサインというのを検討していただきまして、また外国語も含めて検討いただきたいというふうに思っております。
交通局のほうも、ちょっと案内サインとは違うんですけれども、地下鉄の入り口の大型サインというのも、今回、予算のほうに入ってまして、整備を行うという予定があります。ですので、交通局のこの海岸線が活性化に向けて、特に分かりやすいサインも含めて進めていただきたいということを要望して、私からの質疑は終わらせていただきます。ありがとうございました。