会派を代表し、決算総括質疑〈40分〉を行いました。
2020年10月14日 総括質疑内容(三木)
1.交通事業 経営計画2020の検証と次期計画への反映について
交通事業 経営計画2020が最終年度を迎え、次期 経営計画の策定に向けた検討を進めるにあたって、何よりも実施すべきことは、「現在の経営計画」と「これまでの取り組み状況に関する評価・検証」である。
十分な検証を行わなければ、次期計画もこれまでの延長線上で、従来の内容を踏襲したものとなるため、真の意味で改善していくことにならないと考える。
「交通事業 経営計画2020」にもある、「PDCAサイクルの観点」から、令和元年度における交通局の事業結果をどのように評価・分析・検証しているのか、また、その結果を来年度以降の経営計画にどう取り入れようとしているのか見解を伺う。
(交通 再質問1)
「経営計画2020」の中にも、「お客様のニーズに応じた質の高いサービスの提供に努め、 お客様に信頼される公共交通を目指す」とある。
お客様サービスの観点については、これまでも計画の中で繰り返し述べられてきているが、私は改善が見られないと感じている。
例えば、市バス利用時の意見や要望を伝える「お客様ハガキ」ついてだが、これはバスの運転席の後ろに置かれているが、一枚も入っていないと市民から指摘を受け、私から交通局に改善を求めた。
その後、私が市バスに乗る機会があり、この「お客様ハガキ」のところを見ると一枚も用紙が入っていなかった。
市民から御意見があった5日後ぐらいの話だが、全く改善されていない。お客様のニーズを聞くための意見書があるわけで用紙がなければ意味がない。
組織的に管理を徹底すべきだと思うが?
(交通 再質問2)
市民からバス停にベンチを設置してほしいという要望が数多く聞くが、必要な道路幅が確保できない理由からベンチが設置できていないバス停もある。
幅の狭いベンチの開発など、工夫の余地が存分にあるではないかと思う。
さらに、路線図については、スマホで見ていただいたら分かると思うが、現状はPDFでの路線図を開くことになっている。
データが重く開くには、多くの時間がかかり決して見やすいものではない。利用者目線で工夫する必要があるのではないか、また路線図は、外国人に向けて最低限英語版も作成すべきではないか思う。
これらは、すぐにでも取り掛かることが可能であり、スピード感をもって実行すべきと考えるが?
(交通 要望1)
次期経営計画については、従来と同様に5か年の計画を考えていると聞いている。
しかし、5年後の社会情勢が大きく変わる可能性がある中、中期経営計画や短期経営計画を策定する必要があるかと思う。
設備投資に関しては長期的な計画が必要であると思うが、項目によっては、短期間の計画を設定すべきするものもあり、短期的に目標を細分化させることで業務を向上させ、実現のために年度ごとの実行計画を策定する必要があると考えられるが?
(交通 質問3)
海岸線に関しては、ラグビーワールドの影響か多少、前年より伸びているものの、前年度より収入は自動車事業・鉄道事業共にマイナス、累積損益からみても、かなり厳しい状況であり、コロナの影響で更に収入が減る見込みある。
今後はコストカットの実行を行い、他会計からの補助をいかに減らすかが重要な課題だと考えるが、見解を伺う。
〈交通 要望2〉
公営の交通事業であったとしても、経営者意識を持ち持続可能な仕組みを作る、まさに自主自立の経営を目指す必要があると思う。
「次期経営計画」策定に関しては、専門部会でも多くの意見が出ている。
今後、「セグメント分析」や「PDCAサイクル」による検証と目標達成をしていただきたい。
※セグメント分析:財務書類の情報をもとに、施設、事業等のより細かい単位(セグメント)で財務書類を作成し、コスト等の分析を 行うことであり、同種のセグメント間で比較すること等により、財務活動上の課題や成果をより明確化することが可能
2.モデル実施を経て、温かい中学校給食の実施について
7月~8月の間、3校の中学校で各校3回ずつ主菜を保温食缶に入れ、温かい給食のモデル実施を行った。
私としても、牛乳の選択制の導入も含めて、過去から取り組んできた中学校給食が1歩前進したことに対して、教育委員会に感謝を申し上げたい。
「中学校給食の提供に向けたモデル実施」のアンケートも取り、2020年9月に結果報告が出ており、アンケートに答えた全体の「約67%」の生徒が温かい給食のほうが美味しいと答えている。
今後、親子方式のモデル実施を行う予定だが、保護者からは「温かい給食を早く提供してほしい」という声を多く聞く。
アンケートを踏まえての改善や事業者との調整などが必要だが、具体的な本格実施に向けてのスケジュールを含めて聞きたい。
(給食 再質問1)
親子方式のモデル実施の時期とモデル校を行う場所について、まだ決定していないとのことだが、11月にはモデル実施をしていただけるとのことで、また報告していただきたい。
現在取入れている、中学校給食における家庭弁当持参との選択制をやめ、全員喫食にすることで食材事業者にとって供給数が安定し、予算が組みやすくなるため、結果として献立内容の充実、そして給食の味の向上につながるものと考えるが、「全員喫食」方向転換に関しては、どう考えているのか?
【給食 要望】
今年度より、中学校の給食費の保護者負担分を半額に引き下げしたが、喫食率は10%程度しか上がらず、約40%となっている。
これは、やはり、中学校給食の味の問題や冷たさの問題が多いにあると思う。
給食に関して、市民の方から何通かお手紙やメールをいただいた。一部を御紹介させていただく。
「入学時から給食を利用しておりましたが、やはり冷たいままで出されるもの、
食べたことのないおかずが出てくることも多いようです。温かい給食の提供と味を美味しくしていただきたいと思います。」
「夏も終わり涼しくなってきた中で、まだかなり冷たいおかずが出てくるため、お腹を壊すことも多く、給食からお弁当にしてほしいと言われ、10月から一旦給食を停止して、お弁当に切り替えることにしました。」
「中学校給食費は半額となっていますが、保護者負担分の価格設定を以前のものに戻してもらい、市からの補助を現状のままにしていただけたら、中学校給食の品質向上は望めないでしょうか。」
こういう声が市民からある。
先日の「教育委員会だより」には温かい給食のモデル実施の記事があり、保護者はこの記事を見て、導入に期待している。
調理委託事業者や学校現場での準備時間などの調整もあり、進めていくには段階を経ていく必要はあり、また今後、親子方式の実証実験が行わると思うが、立地的条件から、親子方式が導入できない中学校には、いち早く保温食缶を入れていただきたいと思う。
私は、「給食をまずは温かくする。」これは給食向上の第1歩だと思っており、給食に関しては、今後もやらなければならないことも多くある。
まずは、1日でも早く温かい給食を食べていただけるようにしていただきたいことを強く要望させていただく。
そして、スケジュールが分かり次第、保護者や生徒へお知らせいただきたいと思う。
3.ICT教育におけるデータの取り扱いについて
「神戸市ICT 学習環境整備計画」に基づいて、令和元年度より校内無線LAN等の整備を実施しており、国が進める「GIGAスクール構想」を神戸市でも進めている。
ICT教育の導入にあたっては、同時に児童生徒の学習データ及び教職員による指導データなどの管理を徹底する必要があると思っている。
サーバーの設置場所、データのバックアップ方法、保存期間やデータ管理方法、教員のPCの故障や紛失の対処方、そして、情報セキュリティーの確保についてはどのように進めていくのか、見解を伺う。
(データ管理 再質問1)
学校現場のICT化に伴って、児童生徒に関する情報も一層データ化が進むと考えられる。小学校卒業後に進学する中学校への引継ぎなど、学校間においての
「蓄積された児童生徒の情報」の共有は必要であるが、どの様に、データ共有を行っていくのか?
(データ管理 再質問2)
こども家庭センター等の教育委員会以外の関係施設ともデータで共有は行っていくのか、見解を伺いたい。
(データ管理 再質問3)
個人情報の紛失が度々、起こっている。USBのメモリースティックの紛失や先日は、「学習カード」の紛失があった。
こうした、個人情報の紛失には、対応強化する必要がある。
例えば、サーバーから教員の使う個人PCへ一定の容量のダウンロードを行おうとすれば警告され、個人PCへは個人情報がダウンロードできないようにしていると聞いている、そういったことを行うのか?
〈データ管理 要望〉
やはり、データの保存やデータの取り出しなどのデータ管理に関しては重要であり、小学校と中学校の間でも情報をデータで共有していただきたいと思う。
今後、データのセキュリティー対策・情報漏えい対策を徹底して行っていただきたい。
4.教員の質の確保について
神戸市の教職員による「体罰」や「わいせつ行為」などの不祥事案は依然として後を絶たない状況であり、令和元年度の懲戒処分者数は前年度を大きく上回っているが、防止に向けて取り組む上で、採用時の判断も厳格に行う必要がある。
懲戒免職になった場合は、教員免許を失っても3年後に再取得できることになっているため、「再交付に反対」する声もある。
文部科学省は、「懲戒免職処分歴」を教育委員会が閲覧できるシステム、「官報情報検索ツール」の検索可能期間を現行の3年から40年に延長すると発表した。
体罰やわいせつ行為が同じ教員によって繰り返し行われる可能性があることから、神戸市においても教員の採用時に本システムを十分に活用し、適切な人材の確保に努めるべきだと考えるが、見解を伺う。
(教員 再質問1)
「官報検索ツール」の活用。そして、教員採用後も研修なども引き続き、行っていただきたいと思う。
校長・教頭の昇進試験を廃止についてだが、管理職にふさわしい質の高い人材であるべきであって、その質の確保が重要であると思う。
市立学校の管理職昇任試験を全て取りやめ、面談などで登用する方針を決めたが、能力のある若手人材の登用が進むことを期待する一方で、昇任希望者が減少している根本的な要因である教員の多忙化を解消する必要がある。
若手や能力の高い人材が登用されても多忙な状況が変わらず、同じことの繰り返しで能力を発揮できなければ意味がない。
昇任後も十分に能力を発揮できるよう、会計処理も含め学校内の業務の改善や働き方改革をより一層進める必要があると考えるが?
(教員 再質問2)
このたび,政府は行政手続きにおける「脱はんこ」の方針を打ち出しており、この「脱はんこ」による庁内の事務作業や行政手続きのデジタル化については、久元市長も会見で「70%の電子化実現を目標とする」と言われていた。
学校園においても,教職員の働き方改革及び保護者の手間と負担の軽減につながる不必要な押印の廃止には,積極的に取り組むべきと考えるが、教育委員会の見解は?
〈教員 要望〉
学校内や保護者に対してもハンコを押す手続きが数多くあると思われる。この点も検証していただきたい。