2019.10.29 三木しんじろう 一般質問【45分】を行いました。
1.学校現場・教育委員会事務局の体制について
組織風土改革について、教育委員会は有識者会議を経て、長田教育長も決意を述べられているが、今なお、数々の重大事態の事案が起こり続け、「いじめ」や「体罰」そして、「ハラスメント行為」、「教員間の暴力事件」と、あってはならないことが起こっている。
教育に対して真剣に向き合い、日々努力されている先生方も多くおられるが、神戸市教育委員会の評価は地に落ちている。
教育委員会事務局と学校現場の間には大きな溝があり、いくら教育長がトップダウンで改革を唱えても現場には響いておらず、受け入れられていない状況があるのではないか。
平成30年度のいじめ・不登校の認知件数は前年度より増加しており、教育委員会の発表では、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の全てのいじめ認知合計数は、5,508件で前年より706件の増加。
不登校の認知数も、小学校・中学校・高等学校の合計は、2,107件で前年より301件増加している。
こうした状況の中、「組織風土改革」「いじめ問題」「不登校問題」の早期対応や未然防止を行うためには、教育委員会独自で改革を行うのではなく、専門的な外部人材を配置拡充する必要があり、教育委員会事務局と学校現場の体制を変えなければならないのではないか。
具体的に言えば、学校現場については、外部性を持った「スクールロイヤー」や「スクールカウンセラー」の配置見直しが必要である。
専門家の参画については、「第3期神戸市教育振興基本計画案」の中にも「初動より適時・適切な危機対応ができるよう、対応体制の構築が必要」とある。
スクールカウンセラーは、学校現場で子ども達や保護者などの心のケアや支援を行い、「いじめ」や「虐待」「不登校」などの未然防止や早期対応などを行う役割がある。神戸市のスクールカウンセラーの勤務状況は、月に4回の勤務、学校によっては、月に2回の勤務と大変少ない勤務状況である。相談したい時に相談ができる配置体制にするべきではないのか。
スクールロイヤーは、学校現場で起こっている多くの問題に適切に対処するため、子どもの最善の利益を考慮しながら、法的な観点から助言を行う役割がある。現在、神戸市全校に対して、「スクールロイヤー」は、たった1名しかおらず、しかも週3日しか勤務をしていない。
教職員の業務負担や精神的負担を軽減し、子ども達と向き合う時間を確保する必要がある中、全く足りていない状況である。コンプライアンスの観点や教職員同士のハラスメントにおいても、スクールロイヤーの存在と活用は必要不可欠であり、生徒・教員・保護者・地域住民が活用でき、全ての学校が必要に応じて利用できるよう、人数の配置を含め、拡充していただきたいと思うが見解を伺いたい。
久元市長は、10月24日の会見で、教育委員会のガバナンス強化と組織の立て直しを図るため、11月1日付で、教育委員会 事務局総務部に「改革特命担当課長」を 配置すると発表した。また、市長部局から教育委員会事務局に派遣、事務局に対して、外部人材の登用についても検討されているとのことだが、教育委員会事務局の改革については、内部統制システムの強化に努めると共に独立性・公正性が確保できる外部監査機能を入れなければ、組織風土を変えることはできないと考えるが見解を伺いたい。
長田教育長⇒スクールロイヤーの人材確保が困難なこともあり、全ての学校に月に4回勤務配置もできていない。月2回の勤務体制をまずは月4回の勤務にしていきたいと考えている。
三木⇒神戸市におけるスクールカウンセラーの相談者数は、
H28年度 84,915件の相談数
H29年度 85,194件の相談数
H30年度 82,411件の相談数
と、必要不可欠な存在である。
相談者の内訳は、
児童生徒と保護者は約20~25%
教職員からの相談は55%を占めている。
相談数から見ても、スクールカウンセラーの拡充は必要である。
是非とも人材確保をしていただき、配置拡充をしていただきたい。
教員にとっても重要な役割がある。現在の予約方法は、どうなっているのか?
長田教育長⇒担任から教頭に連絡が入り、予約を行う。
三木⇒相談する側へのプライバシーを考慮すれば、直接カウンセラーに予約できるようにしなければならないと思うが、予約方法を改善していただきたい。
長田教育長⇒カウンセラーへ直接予約が取れるように改善したい。
三木⇒専用の携帯電話の番号やメールでの相談も行うように検討していただきたい。
三木⇒スクールロイヤーは、教員へコンプライアンス研修などを行っているとのことだが、大阪市は8名の配置・さいたま市は10名の配置を行っている。
スクールロイヤーの存在は重要であることから、例えば各区9人の指定校に配置人数を増やし、学校を巡回させることはできないか?
長田教育長⇒スクールロイヤーの役割は重要であると考えている。
拡充も含めて検討していく。
三木⇒久元市長も長田教育長も「教育委員会は、ガバナンスの強化をしなければならない」と言われた、11月1日からガバナンス強化の「改革特命担当課長」を配置・外部人材の登用を御検討されているとのことですが、何人体制で具体的な役割・どの様に改革を行っていくのか、教えていただきたい。
長田教育長⇒内容に関しては、詳しくまだ決まっていない。
三木⇒ガバナンス機能を強化するには、当然、組織の内部統制も必要だが、
監査体制と機能をしっかりとしていかなければならないと思う。
監査に関しては、独立性を持った外部人材の登用、例えば専門性も持った人材を公募するべきだと思う。
市民感覚と専門性を持つ独立性と客観性をもった、外部の人間が適任であり、人数体制も1人だと少なく、改革は行えないと思います。見解を伺いたい。
学校現場には、専門的な外部人材を強化・拡充していただき、教育委員会事務局には、独立性があり、公正な外部監査機能を入れなければ、組織風土を変えることはできないと思っている。
2.「中学校給食に関するアンケート結果報告書」を受けての中学校給食改善について
現在、神戸市の中学校給食は、「全員喫食」を基本としているが弁当を持って来ることもでき、実際は選択制となっている。
30年度の喫食率は、約35%で、「おかずが冷たい」「まずい」「お代わりができない」「アレルギー対応ができていない」と多くの課題がある。
昨年の9月の代表質疑の中で、私は味の向上、そして最低限温かい給食を提供していただきたいとの質疑に対して、長田教育長は、「喫食率を向上させていくためには、給食の魅力向上が不可欠である。」と言われた。
そして、「温かいメニューを提供する取組みとして、レトルトメニューを月に3回程度提供し、様々な工夫を行っている」という答弁があった。
あれから、約1年が過ぎ、今年の9月には「中学校給食に関するアンケート結果報告書」が出た。アンケート結果を一部、紹介すると、
・給食を残す理由は何ですか?の問いに対して・・・
「冷たいから」が、49.6%
・中学校給食を食べない理由は何ですか?の問いに対して・・・
「おいしくない」が、59.2%
「おかずが冷たい」が、31.6%
・給食が今後、どう変われば良いと思いますか?の問いに対して・・・
「おかずを温かくする」が60.8%
また、生徒用の自由記入欄には、
・おかずが冷たい、温かくしてほしい。
・おいしくない。
・小学校と同じ温かい給食がいい。
・レトルトがおいしくない。
・近くの小学校から給食を配送してほしい。
・おかずを温める電子レンジを教室に置いてほしい。
という御意見があった。
保護者へのアンケート結果について紹介すると、
・給食を利用しない主な理由は何ですか?の問いに対して・・・
「子どもが希望しない」が、89.4%
・現在の給食が今後どのように変われば良いと思いますか?の問いに対して・・・
「おかずを温かくする」が、75.5%
保護者用の自由記入欄には、
・小学校の給食はおいしいと言っていたが、
中学校給食は冷たく、おいしくないと言う。
・レトルトの回数を減らしてほしい。
・食事時間が短すぎて十分な量をたべられないと聞く。
・もう少しゆったり食べる時間があるといい。
・全員が給食を食べたいと思えるような給食にしてほしい
との御意見があった。
教育長が言われた、レトルトメニューも含めて、多くの生徒や保護者は現状の給食について問題があると感じている。
給食を食べる当事者である生徒の方々や保護者からの御意見が具体的に出ており、給食委員会を設置して、机上での議論をしているが、
「冷たい給食は嫌だ」「おいしくない」と、はっきりと結果が出ている中、給食の味や温かさに対して、抜本的に変える必要がある。 今後の取り組みと改善策について見解を伺う。
三木⇒今後、新たに、ビーフカレーとホワイトシチューを追加し、
レトルトメニューに力を入れている様ですが、「温かい給食を求める声」に対して、レトルトで答えるという姿勢なのか?
長田教育長⇒温かい給食については、メニューの追加もするが、
保温カートを実験的に導入する実証実験行う。
三木⇒神戸市全校を全部いっぺんに変えるのは難しい。モデル校を作って、デリバリーBOX形式以外も調査してみてはどうか?
例えば、自校方式を行っている小学校と同じ敷地内や隣接している小・中学校で親子方式を取り入れることは、可能ではないか?
東灘区:
本庄小学校・本庄中学校
本二小学校・本山中学校
六甲アリランド小学校・向洋中学校
灘区:
西灘小学校・原田中学校
中央区
上筒井小学校・筒井台中学校
港島学園
垂水区:
つつじが丘小学校・桃山台中学校
乙木小学校・垂水東中学校
千代が丘小学校・垂水中学校
西区:
長坂小学校・長坂中学校
長田教育長⇒隣接している学校に関して、今後親子方式を導入の実証実験を行う。
三木⇒長田教育長の保温カートの導入や親子方式の実験も含め、前向きな答弁いただいた。全ての学校が同じ時期に方式を変えることは無理であり、学校や立地によってやり方を変えて対応するべきだと考える。
他の政令指定都市でも自校方式・親子方式・センター方式を学校によって使い分けている。
大阪市ではデリバリー方式をやめ、今年の9月から全員喫食で
自校方式・親子方式を取り入れ、「温かい給食を提供できるように」改革を行った。明石市では、18年から全中学校でセンター方式を導入し、中学校給食を完全無償化する方針である。
明石市の中学校給食を明石市立東部給食センターで温かい給食を試食させていただいた。やはり温かいということは大きいと思う。
全員喫食も含めて、神戸市は変わっていかなればならないと思う。
給食は子ども達にとって、毎日のことであり、保護者としても給食を食べてほしいという願いがあっても子どもが「食べたくない」と言って、共働きをされている方々もお弁当を毎日作っている現状があります。
食物アレルギーを持つ子どもは毎年増加しており、アレルギー対応の給食も今後、考えていかなければならないと思います。
中学校給食の改善について、教育長も充分、ご理解されていると思いますし、実際に生徒や保護者の意見を大事にしていただきたいと思います。
市長と教育長が決断していただけたら、中学校の給食問題は、改善できると思いますので、本当によろしくお願い致します。
3.ラグビーワールドカップ2019日本大会の経済効果
今後のインバウンドの対応について
ラグビーワールドカップ2019日本大会が行われ、9月26日、9月30日、10月3日、10月8日の4試合が神戸会場となった。
試合会場には、約11万人、ファンゾーンには、約8万8000人、外国人も含め、多く方々が神戸に来ていただき、神戸への経済効果も大変、大きかったと思う。ラグビーワールドカップは現在も開催中で、日本代表は決勝トーナメントに進出していたが、神戸会場開催の日程が終わると、メリケンパークのファンゾーンを閉鎖をしてしまい、とても残念だと市民の方々からも聞いている。
ファンゾーンの臨時開催など、可能性を想定し、効果的な経済効果を生むプランを準備しておく必要があったと思う。ラグビーワールドカップの経済効果をどのように予測していたのか、
今後、経済効果の調査結果の検証をどの様に行っていくのか、
見解を伺う。
寺崎副市長⇒ラグビーワールドカップの経済効果に関して、今後検証を行っていきたいと考えている。
三木⇒市民の方から、ラグビーワールドカップ神戸での開催の期間中にハーブ園に行かれた方から、外国人の方々が多く来られいて大変盛り上がっていた。との話を聞いた。
それで、当局にハーブ園の来場者数を調べてもらうと、
対前年比と比較すると、
9月26日は、277.3%
9月30日は、235.3%
大会前後1日を入れた9月25日~10月9日の期間で147.6%となっている。
神戸市内の施設に関しても経済効果は大きかったとう。
神戸市内の経済効果の調査や検証を行っていただき、今後行われるイベントに対して、対策や早い段階でのプランを進めていただきたいことを要望する。