2024.5.20 神戸市会 「教育こども委員会」が開催されました。

教育委員会 【議案】第48号議案 損害賠償額の決定及びこれに伴う和解の件
【報告】「今後の幼児教育・保育における市立幼稚園について(方針)」の修正案について(PDF:1,051KB)
【報告】訴えの提起の件(控訴事件)(第 53 号議案)〔令和6年5月24日上程分〕
こども家庭局 【陳情】陳情第84号 神戸市の子供たちのために教育バウチャー制度導入を求める陳情(PDF:158KB)

2024.5.20 神戸市会 「教育こども委員会」が開催されました。
今年度最後の開催となり、6月からは各議員は新たな委員会へ所属することとなります。

10~17時と長丁場の委員会でした。
質疑の一部を御案内させていただきます。

【教育委員会】
教育委員会事務局職員が自死した事案について
※5月24日の本会議へ第53号議案訴えの提起の件(控訴事件)として提出される予定です。
(内容)
当該職員の過重な勤務を認識しながら、それに対する安全配慮義務を懈怠したとして、遺族が神戸市へ損害賠償請求も求める訴えを提起し、裁判所は令和6年5月16日損賠賠償金として、総額119,631,796円及び遅延損害金の支払いをするよう命ずる判決を言い渡しました。神戸市はこの判決に対して、控訴を提起するとしており、委員会で審議されました。


〈この内容への質疑〉
・長時間労働や精神的に苦しんでいる職員に対してのメンタルヘルスにおいて、専門医の診断が必要な職員が利用する際には、勤務時間を利用し、診断を受けることができるのか。
・教育委員会事務局から教育委員への情報提供については、各委員へメールを送信するのではなく、クラウドなどの情報共有システムを利用し、休日も含め職員がいちいちメールを送受信するなどの過重の負荷がかからないように業務を改善すること。
参考(現在の教育委員):
https://www.city.kobe.lg.jp/a73592/kosodate/education/gaiyou/index.html

〈教育委員会へその他の質疑〉
・家庭訪問し生徒の部屋に宿泊、みだらな行為を行った男性教師懲戒免職の件で家庭訪問の在り方と再発防止について
参考記事:
https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202405/0017607876.shtml

・令和6年3月18日 陳情#61号「神戸市の学校給食を無償にすることを求める陳情」採択による今後の方針について
参考(陳情内容):
https://www.city.kobe.lg.jp/documents/69097/02_kyoiku_chinjo61.pdf
採択:維新・共産
打切り:自民・公明・こうべ未来(立憲)
(自民党議員が委員会欠席のため、採択されました)
・教員のハラスメント調査について
東須磨小学校で発覚した教員同士のハラスメント問題をうけ、2019年10月に教育委員会の全教職員に対して、学校園等におけるハラスメント調査し、1,600人から何らかのハラスメントがあったとの結果であった。現在、再発防止に向けた対応として、「神戸市教育委員会ハラスメント対策基本方針」を策定し、相談窓口の設置など、対策を行っているが、どのような効果があったのか。
また、ハラスメントを受けた場合でも、なかなか相談できない人もいるのではないかと考えるが、2019年当時に行われた調査内容と結果、そして対応はどのようになっているのか、また働きやすい環境にするためにも継続的にハラスメント調査を実施すべきではないのか。

【こども家庭局】
・児童館の管理職(館長)について
「こども家庭局」が率先して現場の職員からの意見を聞き、現場の状況を把握する必要があるのではないかと考える。
施設内でアンケートをとっている場合もあるが館長がそのアンケートを集めることにより館長への意見を聞くことが難しいため、現場職員のハラスメントも含めた意見を集める新たな仕組みをつくるべき。
・社会福祉協議会による指定管理を行っている児童館へは、教育委員会から元校長を天下りさせ館長としておいている制度がある。この制度は見直すべきであり、しっかりと役割を果たせる人事配置を行うべき。
(3月の一般質問でも行いましたが、社会福祉協議会が指定管理者となり、元校長を館長に配置することが慣例化されており、教育委員会から退職する校長経験者を福祉局が係長級として再任用し、そして社会福祉協議会へ派遣し、こども家庭局所管の児童館の館長として配属されている仕組みとなっています)

陳情#84 「神戸市へ教育バウチャー制度の導入の陳情」について
〈結果〉
維新の会は「採択」
趣旨採択:共産
打切り:自民・公明・こうべ未来(立憲)
〈当局の見解〉
●本市では、子どもの頃より、自然や芸術など様々な体験を得ることが出来るよう美術館や博物館、動物園などの施設が無料で利用できる、のびのびパスポートの発行等に取り組んでいます。
●また、身近な地域において、学びや交流の機会が得られる「こどもの居場所づくり」を推進するとともに、2024年度からは市内120か所ある児童館を活用して、自然体験などの展開を促す仕組みを導入しています。
●加えて、市内212箇所の学童保育で学習支援を実施し、小学生からの学習習慣の定着を図っているほか、地域の居場所づくりの一環として学習支援を行う団体の活動を支援するとともに、経済的な事情等により学習機会を十分に得られていない中学生を対象とした学習支援事業を実施しています。
●学習塾や文化スポーツ教室に利用できる今日、教育バウチャー制度は収入によらず、各家庭のニーズに応じたサービスを選択することが可能になり、親の経済的負担が軽減される一方、送迎などにかかる時間や労力の問題、サービスの地域偏在により希望する習い事がない場合もある他、財政負担も大きいなど課題があります。
●全庁的にも様々な分野で子供たちの豊かな体験に繋がるイベントや取り組みが行われているところであり、子供家庭局としても引き続き体験活動の担い手となる地域人材や団体、事業者等と連携しながら、子供たちが体験や学習の機会を身近な場で得られるよう取り組んでいきます。

〈それに対しての質疑〉
当局が説明した、のびパス、学習支援の活用についてだが、今回の陳情に出ている「教育バウチャー」とは全く違う制度であること、芸術やスポーツを見ることにより興味が沸き習い事をしたいと思ったり、部活にないスポーツを学校外で習うことの手助けを行うものであると伝えました。
また神戸市で例えば、大阪市同様の制度を導入した場合の事業費はどうなるのか聞いたところ、神戸市の小学5年生~中学3年生を対象とし、所得制限なしで月1万円、利用率100%を前提にすると、事務費も含めて約96億円かかるものと試算しているとのことでした。
他都市を見てみると、所得制限や中学生のみから開始している例もあります。
時代の背景や財政状況によって内容を変更しており、導入には多額の財源負担が必要であるため、神戸市でも最初から全て大阪市同様にしなくても、所得、期間、助成額、登録利用先などの制限の要件を設けながら進めていき、各制限を段階的に広げていき、できるだけ多くの神戸市の子ども達が利用できるよう、進めていただきたいと要望しました。

〈日本維新の会 神戸市会 陳情#84に対する意見表明内容〉
「神戸市の子供たちのために教育バウチャー制度導入を求める陳情」
教育バウチャー制度の導入により、経済的に制約されることなく、子ども達が個々の才能や興味に合わせたプログラムを受けることで、個々の能力の伸展に繋がり、学校外の教育機会を得ることができ、新たな興味や趣味を発見し、学習意欲をも高めることができると考えます。
そして、地域の学習塾、スポーツ教室などの関連事業にも好影響をもたらすことにより、地域経済の活性化や教育機関の充実が期待され地域社会の活性化に繋がると思います。
不登校児童数が増えるなか、その背景や理由は様々であり、従来の学校や教育委員会のシステムでは対応が難しく、親の費用負担が大きい現実があることから、フリースクールなど個別のニーズに合わせた教育にも利用できることにより、子ども達の学びや成長をサポートでき、不登校支援にも繋がると考えます。
こうしたことから、教育バウチャー制度を導入することで、未来を担う子ども達への自己実現を果たすための支援や社会全体の発展に繋がると考えられます。
導入には多額の財源負担が必要であるため、所得、期間、助成額、登録利用先などの制限の要件を設けながら進めていき、各制限を段階的に広げていき、できるだけ多くの神戸市の子ども達が利用できれば良いと考えます。
維新の会として、過去からも教育バウチャー制度導入への要望と質疑を行ってきたところであり、神戸市でも是非とも導入していただきたいと考えるところであり、「採択」です。
最後に自民党・神戸未来の会派も過去からバウチャー制度導入に関しては、前向きな質疑や意見を発言しているところであり、党派を超えて柔軟に子ども達の未来のために神戸市への導入を進めていただきたいと思います。