2024.2.27 神戸市会 令和6年度予算特別委員会 第1分科会 2日目 (企画調整局)にて質疑を行いました。

2024.2.27 神戸市会 令和6年度予算特別委員会 第1分科会 2日目 (企画調整局)にて質疑を行いました。

主な内容は下記になります。

1.外郭団体のマネジメント推進本部について

令和3年度に外郭団体マネジメント推進本部を設置し、企画調整局が事務局として各局が所管する外郭団体の総合的な調整を担っているとのことである。
1)来年度予算でも外郭団体「改革の推進」として1,500万円が計上されているが、この予算の内訳、内容について伺う。
2)推進本部がこれまでに何度開催され、どのような視点で議論がなされたのか。
3)また、継続して行う必要性や効果をどう考えているのか。
4)これまでの具体の成果についてどうなっているのか。

答弁:
(1)外郭団体マネジメント推進本部の設置の経緯
(2)外郭団体マネジメント推進本部の活動内容
・団体ミッションの明確化、外郭団体が策定した「経営改革プラン」の評価・検証を通じ、各団体の再編や事業の再構築を含む、抜本的な見直し
・(予算事項)団体のガバナンスや経営力の向上支援
①公認会計士による経営診断
②課題を抱える団体への専門家紹介
③専門家を活用した外郭団体職員に対する研修
④外郭団体共通の内部通報窓口の設置・運営
(3)外郭団体マネジメント推進本部員会議の開催状況
・これまでに計15回(R3:7回、R4:5回、R5:3回)開催
・進捗確認、検証、特定の団体へのヒアリング、再編・統合に向けた方向性などを議論
(4)外郭団体マネジメント推進本部の成果
・「神戸交通振興」の解散、「OMこうべ」と「神戸すまいまちづくり公社」の整理・統合が実現
・現在も、「神戸市産業振興財団」と「神戸いきいき勤労財団」の統合や、「神戸ハーバーランド株式会社」の出資比率の引き下げ、及び民間事業者主導の団体への移行に向けた検討
(5)今後の外郭団体のマネジメントの方向性
外郭団体を取り巻く環境は今後一層厳しさを増すことから、引き続き、外郭団体の抜本的な見直しに向けた全市的な推進体制が必要

(再質疑1)外郭団体役員の報酬基準について
今年度は私自身、外郭団体に関する特別委員会にも所属し、各団体の取り組み状況等についてヒアリングし審議をしてきたところだが、外郭団体の役員報酬については公表されていない。外郭団体の役員報酬について、大阪市では、「大阪市外郭団体等への関与及び監理事項等に関する条例」や「大阪市外郭団体における役職員等の採用等に関するガイドライン」を策定し、役員報酬の上限を定めた上で、役員個人ごとの報酬額を開示している。
1)神戸市の「報酬の公表について」の取り扱いは現状どのようになっているのか。
2)外郭団体の役員には神戸市の職員が多く在籍している中で、外郭団体の経営状況が悪化した場合など役員報酬を含めた人件費の見直しについて検証や提案できる立場であり、役員報酬の上限や個別の役員報酬額が見える化されることにより、その適格性等についての議論が可能になるのではないかと考える。神戸市は外郭団体の株主であり、役員報酬を把握するべきではないかという点に加え、全庁的に外郭団体の見直しを実施されているなかで、状況によっては人件費の見直しも行っていくべきであると考えるが見解を伺う。

答弁:
(1)神戸市における外郭団体役員報酬の上限設定
・神戸市では条例等に基づく役員報酬の上限設定は行っていない。
(2)外郭団体の役員報酬(支給額)の公表
・役員個人に対する報酬額は、特定個人の財産に関する情報であることから、個人情報保護法に基づいて、適正に取り扱うことが必要
(3)人件費の見直しを含む経営改善の取り組み
・人件費の見直しとして、役員報酬や管理職手当の削減に取り組んだ団体もある。
※神戸フェリーセンター、神戸農政公社
・人件費の見直しを含む外郭団体の経営改善は、各団体にとって最も効果の高い方策を、団体の判断において導入

(再質疑2)65歳以上のOB職員の役員登用について
現在、外郭団体には神戸市のOB職員も多く在籍しているが、兵庫県は、県の外郭団体の役員などに就いている65歳以上の県職員OBに対し、内規で定め、退職要請を行うなどにより組織の硬直化等への対応を行い、慣例的に延長されていた制度の適正化を図るということである。
1)65歳以上のOB職員について神戸市の在職状況はどうなっているのか?
2)神戸市は、年齢の雇用条件の規定はないということだが、市では、65歳を超えてもなお外郭団体の直接雇用という形で長期在籍している職員が見られ、組織が固定化してしまうのではないのか。一定の期間ごとに見直しを行い、新しいアイデアや経験を組織に取り入れやすくすることが必要であり、兵庫県と同様の対応をすべきと考えるが、見解を伺いたい。

答弁:
外郭団体における市OB職員の再雇用の現状
・市OB職員の外郭団体への再就職は、神戸市退職者人材センターがOB職員の再就職希望と外郭団体の求人情報を一元的に集約し、マッチング
・外郭団体と市OB職員個人との雇用関係となることから、市では上限年齢等の雇用条件を規定していない。
65歳を迎えた市OB職員への退職要請
・年齢のみに基づく一律の退職要請が、外郭団体の安定した運営にとってどのような影響を与えるのか、各団体の経営状況や人材の獲得状況などを見ながら、慎重な検討が必要

(再質疑3)神戸市の65歳以上の在籍職員役員の状況について
現在でも数名、複数の団体の役員として籍を置き、個々の団体から報酬を得ているわけだが、適材適所の観点から、定期的な評価や再評価の仕組みを導入し、適切なスキルや貢献度に基づいて継続雇用を決定する必要があると考えるが見解を伺う。

答弁:
(1)元市幹部の役員への登用や65歳を超えた継続登用
・市の元幹部の役員としての登用は、これまで培ってきた幅広い人脈や知識・経験、組織運営のノウハウや的確な指導力などを踏まえ、民間人材と比較しても、各団体の事業展開や経営改善にとって最もふさわしい人物である、との判断に基づくもの。
・役員登用は、個人の経験や能力等に着目した政策性の高い人事であり、年齢や年限による退職には馴染まず、在職中の業績や指導力、団体に対する貢献度などを株主総会や評議員会において評価・議論する中で、登用期間についても団体として判断すべきもの。

「大阪市外郭団体における役職員等の採用等に関するガイドライン」主な内容
・市OB職員が役員の採用に関しては、募集期間を1か月以上として公募を行い、外部有識者による選考委員会で選任される。
・在任年齢の上限は、満65歳までとする。
・OB職員の役員報酬については上限を定め、(複数の外郭団体から役員報酬を受ける場合は、その合計額も、この上限額を適用する)
・外郭団体は、OB職員の役員報酬額については、市の求めに応じて、報告するものとする。
・役員退職慰労金は支給しない。
(OB職員が外郭団体へ在職できる年齢上限は、満65歳、退職金も支給なし)
・情報公開の徹底については、OB職員の報酬、在任・在職上限を市長へ報告すると共に市は、毎年その状況を公表する。

2.兵庫県・神戸市調整会議の役割について

令和5年12月25日、神戸市役所で兵庫県・神戸市調整会議が行われ、傍聴させていただいた。
率直な感想として、折角の県と市とのトップ調整の場であるにも関わらず、議論がかみ合っていない印象を受けた。
この調整会議のそもそもの目的は何なのか伺いたい。

答弁:
指定都市都道府県調整会議
・平成26年5月の地方自治法改正により規定。指定都市と都道府県の二重行政の問題を解消し、事務処理を調整する協議の場
兵庫県・神戸市調整会議の特徴
・平成28年度の設置以降、毎年開催
・他の道府県政令市では、20のうち9県市が過去に一度も開催しておらず、また近年は開催頻度が減少
・広域行政を担う兵庫県と、大都市行政を担う指定都市神戸市の行政・議会のトップや幹部が、それぞれ異なる立場から、課題認識や幅広い分野の施策の現状や取組方針について、情報共有、意見交換を行う貴重な場
・兵庫県と神戸市は日頃から企画調整局も含め各局において十分な意思疎通ができていることに加えて、こうした調整会議を開催することは大変意味があると認識

(再質疑1)調整会議の目的達成に向けた企画調整局の役割
協議事項に挙がっているにも関わらず、調整会議の中では何も協議が行われない状況であった。三宮再整備や県庁再整備、県市に関係があるからこそ協議事項に挙がっているわけであり、県市の各首長の意見や方向性をすり合わせ、積極的に施策展開していくための好機であったはずである。会議の成功に向けては、企画調整局がどのような準備を行ってきたのか?

答弁:
・これまで、二重行政の問題を解消する観点から、県市協調により取り組んだ新長田合同庁舎の整備やひょうご神戸スタートアップファンドの設立など、について意見交換
・近年では、新型コロナウイルス感染症への対応や、神戸空港の機能強化、大阪湾岸道路西伸部延伸、大阪湾ベイエリアの活性化、世界パラ陸上選手権、持続可能な農業の推進などがテーマ
・調整会議当日のテーマ選定にあたっては、県市の各局室と連携しながら、片一方のみの要望に留まるような内容については除外
・一方で会議運営については、テーマが多岐にわたることから論点が十分に絞り切れていない面はある
・次回以降の開催にむけて、兵庫県とも十分に調整しながら、準備を行う

(再質疑2)県市協調、広域連携に向けた企画調整局の役割
来年度予算には、「高校生の通学定期補助」が提案されているが、この度の施策は神戸市に住んでいる高校生が、神戸市内の高校に通う場合が対象とされている。
一方で、神戸市在住でも他都市に通学するこどもは多数存在しており、神戸市単独で大阪の施策に対抗するということではなく、こういう施策こそ、県市協調で、あるいは阪神間の圏域の自治体との協力でもって、より広い範囲をカバーできる制度設計すべきではないか。
高校生の通学補助制度を拡充することに向けた次のステップとして、先ほどの県市調整会議の活用や、広域連携の観点から、企画調整局が全市的な施策の調整を担うべきと考えるが、見解を伺いたい。

答弁:
(1)高校生の通学定期補助の拡充について
・補助制度の狙い
・現段階では本市が主体的に調整していくということでなく、市外高校通学者に対する支援については、制度の運用状況も踏まえた検討課題として見極めていく
・都市間の課題解決に向けて、市域の枠を超えた広い視野で連携を図っていくことは、持続可能で質の高い行政サービスを維持していくうえで必要な観点
・今後とも、あらゆる分野において県市協調や広域連携が必要な案件が生じれば、企画調整局として必要な調整を行う

3.神戸医療産業都市の将来像について

外郭団体でもある医療産業都市推進機構に対しては、市本体から毎年多額の補助金等を支出している。また、医療産業都市推進機構については、
・神戸経済の活性化
・健康支援と高齢化社会への対応による市民福祉の向上
・アジア諸国の医療技術の向上など、
神戸医療産業都市の中核的支援機関として多くの目的があり設立されている。この機構が主体的に神戸の医療産業を牽引していくべきもの」であると認識している。「第5期経営計画」を令和5年度から進めているなか、将来像の検討に関しては、まさに機構が主体的に実施すべきものと考えているが、なぜ市が実施するのか。機構に任せられないから、神戸市がテコ入れをするという趣旨なのか?
機構に多額の市税を投入しつつ、機構がすべきことも市が実施するという、二重行政的な手法に疑問を感じるが、見解を伺いたい。

答弁:
(1)神戸医療産業都市の概要
(2)神戸医療産業都市推進機構の概要
(3)市と機構の役割分担
・本市が市全体のまちづくりのあり方や政策課題等を踏まえて基本的な方向性を検討・立案
・機構においてはその方向性を踏まえ、中核的支援機関として、クラスターの成長・発展を図る支援メニューを展開
(4)神戸医療産業都市の将来像の検討
・神戸医療産業都市の施策については、検討会の議論を踏まえ、本市と機構の適切な役割分担のもと、時代の変化や企業等のニーズを的確に踏まえながら、市民福祉の向上、地域経済の活性化に資する取組みとなるよう展開

4.大阪・関西万博への関与について

医療産業についても、万博を利用し、積極的にこれまでの成果を市外にPRすべきであると考える。
「大阪・関西万博」によって神戸市への経済効果を生み出し、万博が終了しても継続した事業を行うべきと考える。
1)今後の展開について見解を伺いたい。
2)神戸の経済界、事業者などとの意見交換会。
3)大阪・関西万博の神戸市への経済波及効果、データを踏まえた試算を行い、終了後には検証も行うべきであると考えるが見解を伺う。

答弁:
(1)本市の万博への関わり
・大阪・関西万博に向けては、関西広域連合や府県レベルで、施策の検討
・兵庫全体で推進することを目的に、「大阪・関西万博」ひょうご活性化推進協議会」に本市も参画
・その他「兵庫県域の大阪湾ベイエリア活性化推進協議会」にも参画
・機運醸成の取り組み
(2)今後の展開
・自治体催事の開催、発信内容の検討
(3)神戸への誘客
・万博後も含めた誘客に繋げていくことが重要
・観光施設と交通を一体的に提供するMaaSなどにより、来訪者の取り込みを目指すほか、県の「ひょうごフィールドパビリオン」においても、神戸の魅力を様々な形で発信していきたい。
・大阪・関西万博の効果を神戸市及び関西全体に波及させ、万博後の神戸への誘客やビジネス機会の拡大に繋がるよう、兵庫県や、関西広域連合、博覧会協会、経済界等と連携しながら、企画調整局が中心となり万博に向けた取り組みを進めていく