2023.2.21 神戸市会 予算特別委員会 (水道局)にて質疑を行いました。

2023.2.21 神戸市会 予算特別委員会 (水道局)にて質疑を行いました。

主な内容は下記になります。

1)スマートメーターの導入について
■東京や大阪では実証実験を行っております。
初期投資費用が課題ですが、他都市の実績、更新時期をみながら神戸市でも情報収集と導入の検討を要望。

【スマートメータのメリット(水道局)】
・リアルタイムにデータを習得できるので、異常を検知して高齢世帯の「見守りサービス」につなげる。
・検針の自動化による業務の効率化や検針員不足・誤検針の解消にある。
・水道の使用実態のデータを正確に把握することで、より適切な設備投資が可能となり、インフラ構築が期待できる。
・事故や震災などの災害が起きた時に早期に断濁水範囲を特定し円滑な復旧作業が可能となる。
など

【スマートメータのメリット(利用者)】
・日ごと、週ごと、月ごとの使用水量をスマホやパソコンで確認できる。
・漏水や蛇口の閉め忘れが懸念される場合に通知される。
・検針票や請求書がペーパーレス化される。
など

2)サイバーセキュリティ対策について
■水道局の現在のサイバーセキュリティ対策状況について

浄水場やポンプ場等の監視制御システムでは、セキュリティレベルが高い通信回線である、
IP-VPN(通信事業者の閉域網)を使用しており、契約者以外は接続できないようになっている。

■神戸市役所の他局との連携や情報共有など取組みについて
→ 危機管理室が中心となり、縦割りではなく連携会議を常設し情報を共有し、専門家の参画の含め訓練を行いながら課題を抽出しマニュアル作りを行う。
人材育成も行っていく。

■利用者の個人情報の取扱いについて
令和3年度末での神戸市水道局での契約件数は、816,909件。
水道開始の申込に付いては、インターネット開閉栓システムを通じて行うことができる。
電話対応での申し込みに関してのコールセンターは民間委託事業者が行っている。
どの様に市民の個人情報を守っているのか。
情報漏洩策や管理は、どのように行っているのか。

・お客さま受付センターとの委託契約仕様書の中で、情報セキュリティ対策に関し、
①プライバシーマークなどの個人情報保護についての第三者認証の取得
②情報セキュリティポリシーや情報セキュリティマニュアルの整備
③受付センター内で情報セキュリティに関する内部監査を定期的に実施すること
④従業員に対して、情報セキュリティ研修の受講を義務付け、習熟度テスト等により理解度をチェックすること
など、厳格に運用するよう定めている。
・また、情報セキュリティ遵守特記事項に基づき、令和4年11月に委託事業者から『情報セキュリティ対策の実施状況報告書』を受領し、書面による情報セキュリティ対策の確認を終えている。
・年度内に『情報セキュリティ対策の実施状況報告書』の報告どおりできているか実地検査を行う予定である。

水道局としての対策
・委託事業者が委託業務で使用する「営業オンラインシステム」については、 重要なお客様情報を管理しているため、様々な対策を取っている。
・端末については、端末にデータを保存しないシンクライアント端末を導入している。
・また、USB等の外部記憶媒体を物理的に使用できなく制限をかけており、データの取り出しが出来なくなっている。
・更に、クライアント運用管理ソフト(SKYSEA)を導入することにより、操作ログを管理し不正操作の監視を行っている。
以上の対策により情報漏洩が起こらないよう取り組んでいる。

3)DXの推進について
来年度予算において、「給水装置工事審査のAI化」や「給水装置工事申請のキャッシュレスe-KOBEオンライン決済化」などを予定しているが、導入することにより、どういった効果が見込まれるのか。

〔AI 審査〕
(1)AIを活用した図面審査の概要
・年間約6,500件の申請がある給水装置工事のうち約6,000件は、戸建て住宅や工事用等の、水理計算や事前協議を必要としない簡易な申請(以下「簡易な申請」という。)である。
・「簡易な申請」は審査項目が限られ、かつ職員用マニュアルや電子化により決まったルーティンで処理が可能となっている。
・現在、職員は件数の多い「簡易な申請」の図面審査に多くの時間を要しており、職員間の審査精度のバラつきや、審査の合間に電話や窓口対応を挟むことに起因する審査項目の見落としが懸念されている。
・これらの課題に対しては、現在、二重チェックできるよう職員を配置しているが、AIを活用した図面審査アプリケーションを導入することで、確実な審査体制の確保と審査基準の統一化、作業効率の向上が図れる。
(2)具体の効果
【水道局への効果】
・AI審査の取り組みにより審査に係る時間の軽減を図ることで、職員がより一層「協議が必要な申請」の相談、審査、検査および技術継承に重点を置いて取り組める環境を整えていくことを目指しており、技術力の向上や底上げが期待される。
・また、将来的な給水装置工事の施策方針や基準の検討および改訂、業務改善やDX等に重点を置いて取り組める環境が整えられることにより、一層の業務効率の向上も期待される。
【指定工事事業者への効果】
・AI審査の運用により、審査期間の短縮や、審査結果を図面上に表示して回答することによる審査項目の統一化と、修正内容の「見える化」による業務の効率化が図れることになる。

〔e-KOBE オンライン決済〕
(1)現状
・令和4年7月よりメールリンクシステムを活用した手数料および分担金等のクレジットカード決済の導入を開始した。
・職員はカード決済の都度、メールリンクシステムから、どの工事の請求か分かるように工事番号や請求金額を記入し、請求メールを送付する必要がある。
(2)令和5年度からの変更内容
・「e-KOBE:スマート申請システム」のクレジットカード決済機能は入金口座の設定が神戸市全体でひとつであることから、会計管理者が異なる水道局や交通局で使用するためには、複数の口座を設定できるようシステムを改修の必要があった。
・令和4年度に水道局(企業会計)においても利用できるよう、システム改修がされたことに伴い、令和5年度より、「e-KOBE」を利用したクレジットカード決済に切り替える。
(3)具体の効果
【水道局への効果】
・e-KOBE上で請求の連絡ができるようになるため、請求メールを送付する必要がなくなり、事務の効率化が図られる。
【指定工事事業者側への効果】
・給水装置工事の申請から手数料等の支払い、施工承認までを一貫して「e-KOBE」で行うことができるようになる。
・また、下水道に関する工事の申請も「e-KOBE」で行うことができる。