神戸市「駅前駐輪場整備戦略」について (三宮駅で地下タワー式駐輪場の整備に向けた検討します)

神戸市「駅前駐輪場整備戦略」について

・都心内での放置自転車の問題
・駐輪場不足
・タワー型や地下型の使いやすい駐輪場の設置
・自転車専用道路の整備
について、議会でも中央区役所へも質疑・要望を続けてきました。

この度、立体的な土地活用による駐輪場整備を行い抜本的な解決を図るための「駅前駐輪場整備戦略」を打ち出し、

三宮駅で地下タワー式駐輪場の整備を含め、基本計画の策定に向けた検討を開始することとなりました。

基本計画の内容は、今後の検討や関係機関等との協議を踏まえ、令和4年度中に具体化していくとのことです。

令和2年 第2回定例市会(9月議会) 2020年9月18日 議事録

◯三木しんじろう

日本維新の会の三木しんじろうでございます。会派を代表して,第67号議案について質疑をさせていただきます。
神戸市では,放置自転車の防止や自転車駐車場附置義務に関して,神戸市自転車等の放置の防止及び自転車駐車場の整備に関する条例を定めております。自転車駐車場附置義務は,近隣商業地域及び商業地域において,自転車の利用が多い一定規模以上の小売店舗,銀行,遊技場の施設設置者に対し,条例により自転車駐車場の設置を義務づけております。このたびの議案は,この条例を一部改正し,三宮駅周辺の都市機能高度集積地区において,自転車駐車場の附置義務を免除し,都市機能の集積を促進するとのことです。
神戸市は,今年の12月頃から新たに三宮駅,元町駅周辺に民間駐輪場の整備を行うなど対策はしているものの,放置自転車は多くあり,自転車駐車場の附置義務を免除することにより,さらに放置自転車が増えてしまうのではないかという区民の方からも不安の声がございます。
三宮には多くの会社や店舗がございます。そして,御存じのように,その周辺には多くの方々が生活し,まさに都心と住宅地が隣接しております。住民の方々は日々のお買物や移動手段として自転車を利用し,通勤など遠方からも自転車に乗って三宮に来られる方々もおり,定期駐輪場を利用したい希望者も含め駐車需要が満たされておらず,多くの放置自転車があるのが現状であり,これは大きな問題でございます。
このたびの附置義務の免除といった規制緩和を行う上で,それによって新たな問題が生じないように,同時に対応策を考える必要があると思います。企業誘致やビル建て替えの機運を高めるためと理由にありますが,自転車駐車場に関する現状の問題認識,それと,自転車の活用を推進する中,自転車駐車場の附置義務を免除する目的を改めてお聞きしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

◯市長 久元喜造

三木議員の御質問にお答え申し上げます。
神戸市では,市営駐輪場の整備,放置禁止区域の指定,放置自転車の即時撤去,このいわば3点セットによりまして,放置自転車対策を実施してきました。三宮周辺でも市営駐輪場の整備を進めてきましたけれども,利用率が高く,ほぼ満車状態となっております。放置禁止区域内の放置自転車につきましては,減少傾向にありますが,区域外も含めると依然として多数の放置が見られるという状況にあると認識しております。
そして,神戸市では放置自転車対策と併せ大量の駐輪需要を生じさせる施設の設置者に対し,自ら利用者のための駐輪場を確保する附置義務を課してきました。
一方で,三宮駅周辺では,再整備の取組を進めておりまして,土地利用の誘導規制や企業誘致に関するインセンティブなど,より高度な都市機能の集積を目指す諸施策を総合的に講じております。このことによりまして,三宮周辺を神戸の玄関口にふさわしい,高質な空間にしていることを目指しております。
今回の条例改正は,そうした施策の一環といたしまして,三宮駅周辺の商業・業務などの都市機能に特化した土地利用を誘導すべき地域,すなわち都心機能高度集積地区におきまして,新築・増築する建物の設置者に対し,駐輪場の附置義務を免除することで,ビル建て替えなどへのインセンティブを付与しようというものであります。実態に合った附置義務駐輪場の運用ということと,そして,冒頭申し上げました積極的な駐輪場の整備などの対策を総合的に,そして組み合わせながら複層的に講じることによりまして,都心・三宮の再整備と,そして放置自転車対策というものを強力に進めていきたいと,これが今回の条例の改正の趣旨であります。

◯三木しんじろう
神戸市では令和2年2月から3月まで市民意見募集を行いまして,神戸市自転車活用推進計画を策定されています。その意見の中にも,自転車を止める場所,または駐輪場の不足についても市民の方から御指摘されているところでございます。
また,この推進計画には,自転車の走行環境やルールやマナー,これについても書かれているわけですけれども,同時に駐輪または放置自転車対策の効率化や自転車通勤の促進についても,この計画の中には書かれておるところでございます。
それで,放置自転車の撤去保管料が,9月1日から,今年の,自転車は2,000円から2,500円と,原付は4,000円から5,000円に改定されていますけれども,放置自転車対策というのはされていると思うんですけれども,その反面,自転車放置禁止区域以外に放置自転車が広がってしまっているという現状もあると思います。三宮駅をエリア分けしていただいて,駐輪場の利用率とか,放置台数の調査を行った上で,行政によって自転車駐輪場の整備を行っていただいて,必要台数を新設により確保していただきたいというふうに考えておりますが,市長のほうも先ほど前向きな御答弁ありましたけど,御見解を改めてお聞きしたいと思います。

◯副市長 油井洋明 

三宮駅周辺では,通勤・通学の駅利用であるとか,買物等の施設利用が混在する中,これに対応するために市営の駐輪場の整備を進めてまいりました。このほか,短時間無料で利用可能な道路占用を活用して民間駐輪場を整備してもらうと,そういったことも進めてきたわけです。
しかしながら,依然として放置自転車も多いというのが現状でございまして,また,市営駐輪場の定期の空きを待っている方々も,三宮については非常に多いという状況でございます。議員御指摘のとおり,駐輪場が不足しているという状況であるというふうに十分認識するところでございます。
今回の条例改正で,今後,都市機能高度集積地区内で新築・増築する建物の設置者に対して,附置義務駐輪場を免除することになりますけれども,やはりその分を含めて今後は神戸市が主体的に駐輪場を満たす容量の駐輪場を確保していきたいというふうに思ってございます。その場合は,三宮駅を中心に中央幹線であるとか,税関線であるとか,そういう幹線道路がありますので,やはりそのエリアごとに分けて,どういった放置の状況,駐輪の需要の状況があるのか,そしたらそこにはどういった今の駐輪場があるのか,今後の予想としてどれぐらいの駐輪が要るのか,そういったものを考えていく必要があるというふうに考えてございます。
今後の三宮駅周辺の駐輪整備の進め方について,そういった考え方も含めて神戸市のほうで考え方を今,整理してございまして,議案御承認の上,改正条例を公布する際にも,併せて駐輪整備の進め方に関する資料をホームページで公開することを予定してございます。
それから,現在,生田新道等で駐輪場がないところについて,今,駐輪場の整備を進めるために歩道等の拡幅の工事をやってございますけれども,やはりその放置禁止区域以外の放置自転車に対応すべく,そういった駐輪場の整備に合わせて放置禁止区域の拡大も検討してまいりたいというふうに考えております。

◯三木しんじろう 

定期駐輪場の不足も含めて御認識があるというような御答弁だったと思いますけれども。具体的に数字でいえばどれぐらい,今,利用台数があったり,放置台数があったり,定期駐輪場の待ち──不足,どれぐらいで,数字というのはエリアごとに出されているんでしょうか。

◯副市長 油井洋明 

エリアごとについても詳細な検討を進めておりますけれども,基本的な考え方としまして,ある程度三宮駅から一定の距離のところについて,駐輪需要が高いというふうに考えてございまして,その中に,現在,公共または民間の道路占用を利用する駐輪需要が,利用者がどれだけいるのか,そしてそのエリア内にどれだけ放置があるのか,それからまた,市営駐輪場の定期待ちの数がどれだけあるのか,そういったものを算出してございます。現在整備している駐輪場については,行政側だけじゃなく民間のやつも含めて──これ,附置義務以外ですけれども,1,700台ぐらいの駐輪場を整備してございますけれども,今の感じでいくと,その倍ぐらいの数は必要ではないかと。それが,それぞれのエリアごとに放置の状況であるとか,実際今どんだけ駐輪場があるかと,その辺を考えながら考え方を整理してまいりたいというふうに考えております。

◯三木しんじろう

今,倍といったら3,400台ぐらいには必要な台数はなると,駐輪場がなると思うんですけれども,これだけではなく,今後は少し多めに整備していただきたいというふうに考えております。
それで,駐輪場は当然,立地条件がよくないと利用されないわけなんですけれども,三宮駅周辺は用地が限られております。他都市を見てみますと,午前中にもありましたけれども,京都もそうですし,東神奈川,そして前橋とか,近場で言うと西宮北口にサイクルツリーなどが採用されていて,限られた土地を活用して,地上や地下の機械式,いわゆるタワー型の駐輪場というのをやられてるみたいなんですね。
同時に,今,自転車というのは,値段の幅が結構広くて,1万円ぐらいのものもあれば何十万円という,いわゆる競技用というか,スポーツ用の自転車も多くあると思うんですけれども。今ある,例えば,地上の平面式の駐輪場ですと盗難の心配もあるというようなお声も聞いております。セキュリティー面も,カメラの設置等も含めて強化していかないと駄目やと思うんですけれども。限られた設置様式の有効活用,タワー型の駐輪場も含めて,それとセキュリティー面の強化の両面から,どのような駐輪場を今後整備していかれるのか,お聞きしたいと思います。

◯副市長 油井洋明 

現在,三宮駅での駐輪場の整備につきましては,例えば,駅前広場の一部の区域を使ったりとか,あとは新交通の高架下,または広幅員の歩道の一部を使ったりして行政が造ったり,また,道路占用を使って民間事業者に駐輪場整備をしてもらったりしてますけれども,やはり空間的な余裕がないという状況でございます。そういったことで,従来整備してきたような地上の平面式の駐輪場だけでは台数の確保というのは難しいという面があるということは十分思っております。そのために,地下空間の活用であるとか,先ほど議員の御提案にありましたタワー式の機械式の駐輪場など,やはり限られた用地を有効に活用するための手法を取り入れることが必要ではないかというふうに考えてございまして,これらについては,コスト面も結構造り方によっては変わってきますので,コスト面を含めた様々な手法を比較しながら進めていきたいというふうに思ってございます。そういう立体の機械式になりますと,議員御指摘のようにセキュリティー面の確保も──実際外からはなかなか入れないという形になりますので,できますし,併せて,カメラの設置といったセキュリティー強化についても検討して,市民が安心して利用できるような駐輪場にしていきたいというふうに考えてございます。

◯三木しんじろう 

今は細かいスケジュール等,場所もちょっと分からないとは思うんですけれども,また市民の方々にも今後,計画が分かり次第示していただきたいと。それと,区役所ともぜひ連携を取っていただきまして,この整備内容のスケジュールとかも話し合って,意見交換もしていただきたいと思います。
午前中にも,現在ある駐輪場についての話が出ておりましたけれども,私ども維新の会の会派で幾つか視察をさせていただきました。これはおっしゃるとおり利便性のよい場所には,駐輪場は利用率が当然高いと。屋上などのちょっと使いにくいというか,大分使いにくいところは,何百台も止める施設はあるわけなんですけれども,全くというかほぼ使われていない状況でして,お話を聞いた限りでは,中には5年間1度も使われていないというような状況も聞いております。当然,これ利用率が低いのは場所の問題もあるんですけれども,この管理されてる方々にお話を聞きますと,自転車置き場のタイヤを入れるとこ,これがもうさびてしまってどうしていいか分からないと。私どもも見ましたけれども,台風とかがあって,もしこのボルト・ナットが取れて,屋上にあるもんですから,事故があってもいけないというように考えているとこなんですけれども。管理者にとっては改修費用とかメンテナンス費用,撤去はできるなら本当は撤去したいという気持ちもあるんですけど,撤去費用もばかにならないというようなことを言われているわけなんですね。このまま放置されていて,もう全く利用はされていない状況です。午前中にも質疑がありましたけれども,これも私どもとしては早急に何らかの対策をしていただきたいというふうに考えております。
それで,平成27年以前に設置された附置義務の駐輪場に関しては,今後も大変大きな課題だというふうに思っております。設置事業者とも意見交換を当然行っていただきたいんですけれども,ぜひ,自転車の利点を考えていただきまして,自転車の駐輪場,シェアサイクル──今回これ補正予算がついておりますけれども,これも同時に進めていただきたいと思っております。三宮周辺には,朝とか歩いておりますと,通勤者が三宮の駅から南のほうに下りられる方がいる中,住んでる方は逆に北のほうに上がっていって,逆行している状況で,大変危ないなと思うところもあるわけなんですね。朝,フラワーロードにはバスとかトラックが路駐をしている状況もよく見ます。ぜひ,自転車専用道路とか安心・安全の自転車利用環境というのを,駐輪場も含めて整えていただきたいと思うんですけれども,その辺の御見解をお聞きしたいと思います。

◯副市長 油井洋明 

本当に自転車利用というのが増えてきていると思います。特に,コロナ禍の関係で,例えば,大量輸送機関じゃなくて自転車でと,そういう動きも全国的にはあるように考えてます。また,健康志向の高まりで自転車を利用される方ということもありまして,やはり神戸市のほうでは総合的に計画をつくってやっていこうということで,いろんな取組をしていきたいというふうに思ってございます。
その中で1つは,交通結節点に来て止める駐輪場というのは,まだまだ足りてない部分がありますので,それらについては,しっかり三宮だけじゃなくて造っていきたいというふうに思ってございますし,安全に自転車が通行できるように,自転車の走行空間の整備については,いろんな形で整備を進めておりますけれども,これらをもう少し広げてネットワークできるように進めていきたいというふうに思っております。
それから,今はやっぱりシェアをするという動きになってきてますので,これらについては,自転車についてもシェアリングという格好でできるように,コベリンという格好で三宮から神戸駅,元町,その辺りで今動いてますけれども,そういったやつをもう少し広げることができないかとか,そういうシェアサイクル,シェアリングについても検討を加えて,トータル自転車の利用者が利用しやすいような施策についても総合的に考えてまいりたいというふうに考えてございます。

◯三木しんじろう 

例えば,阪急百貨店のほうの地下の食料品街に自転車で買物に行きたいということになれば,くじらの駐車場を利用しなければならないと,そこには10台ぐらい止めるスペースはあるということなんですけど。やはり立地というのはかなり重要やと思うんですよ。自転車の利点というのは,目的地まで行ける,近くまで行けて気軽に使えるということなので,ぜひその辺も御検討していただきまして,進めていただきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。