三木質疑分「パブリックコメント結果から見た王子公園再整備の進め方について」 議事録のご紹介
2022年2月24日 神戸市会 R4年度予算 代表質疑
場所:神戸市役所1号館 議場
三木から市長ならびに関係当局へ
「王子公園再整備関係の質疑・要望内容」を御紹介させていただきます。
「パブリックコメント結果」から見た「王子公園再整備」の進め方について
(三木:はじめに)
駅前、そして、住宅地に隣接している王子公園には動物園やスポーツ施設などがあり、神戸市民の多くの方々が様々な目的で利用されている公園で、神戸市の歴史ある財産の1つであります。
「王子公園の再整備」に関しては、神戸市民にとって非常に関心の高いものであり、老朽化対策や「より市民に利用してもらうため」の再整備は必要であると思いますが、「王子公園の再整備の素案」にある、大学誘致に関しては、公募内容や予想収益、そして、地域活性化の具体案を当局は明確にするべきであり、大学誘致ありきで「テニスコートやプールなどの廃止」ではなく、市民の多様な意見を勘案しながら、持続可能で周辺一帯の活性化と「魅力向上」に資する都市公園の再整備を行なうべきだと考えております。
また、動物園に関しては、動物の姿かたちを見せることに主眼を置いた「形態展示」ではなく、園のスペースを広げ、行動や生活を見せる「行動展示」を導入するなど、動物本来の行動を引き出す「生体的展示」にすることによって、動物にストレスを与えない動物福祉を推進する観点を持つ必要があると思います。
遊園地に関しては、民間からの公募も視野に入れ、より魅力的な遊園地にリニューアルすることで、子ども達が安全に楽しめる近距離レジャーとしての機能を強化し、集客増につなげるべきではないでしょうか?
今後の王子公園の再整備は、これまでの歴史を今に活かし、市民や利用者の声に耳を傾け、専門家からの意見を取り入れるなどし、ゾーニングや中身についての見直しを行う必要があります。
そして、民間の資金と活力を使い、より少ない財政負担で将来的に維持管理できるよう、動物園の「民営化」や「地方独立行政法人化」の方向性も含め、更なる検討と研究を重ねていく必要があると思います。
(三木)
素案を作成するにあたっての調査と今後の進め方について伺う。
この度の「王子公園再整備基本方針(素案)」に関しては、市民意見募集の結果からも、周知不足により市民理解を得られておらず、今後、精査した上で素案を見直すということだが、再整備の進め方については、市民や利用者、そして議会に対しても事業計画の策定プロセスの透明化を求めるものである。
素案を作成するにあたり、企画調整局・文化スポーツ局・建設局は、それぞれどの様な調査を行い、素案に反映させたのか?
また、地域住民や利用者に対して、どのような手法でどの程度周知してきたのか?
(久元市長)
王子公園の再整備については、昨年1月の記者会見において、大学の誘致を含め、基本的なこの再生整備の方針につきまして、公表をしたところである。
その後地域団体や各スポーツ団体と意見交換をさせていただきながら、基本方針の検討を行っていきた。
再整備基本方針素案の公表に合わせまして、灘区・中央区において説明会を開催したのがこれまでの主な経緯である。
この御検討にあたっての各局の役割分担は、企画調整局は、公園内の施設の再配置に係る前提条件の整理、コンセプトの立案、ゾーニングの作成などを担当。
各局連携のもとに全体調整や大学誘致について担当をした。
建設局・文化スポーツ局については、王子公園内のそれぞれの所管施設についての現状の課題、問題点、再整備するにあたって、どのようなエリアに再整備をするということが適切なのかということをこの両局が検討を行った。
このような役割分担のもとにこの素案を作成したが、市民からの意見募集では地域への周知不足であるという御意見をいただいているところであり、今後さらに地域の方々との対話を丁寧に行いながら、検討を進めていきたいと考えている。
(三木)
一体的な事業推進について、伺う。
今般、示された予算案を見ましても、王子公園再整備に関する予算については、
企画調整局が7,300万円
文化スポーツ局が2500万円
建設局が5,050万円 とそれぞれ計上されている。
今後、市民や議会と議論を重ねた上で予算を執行していくにあたっては、統一的な見解の観点からも、それぞれの「局の集約化」や「調査費の効率化」を行うべきではないかと考えるが見解は?
(今西副市長)
王子公園内の施設には、王子動物園・体育館・スタジアムなどの多くの施設があるために、効率化の観点から、各施設につきましては、建設局と文化スポーツ局がそれぞれ検討を深め、全体調整および大学誘致に関しては企画調整局が行うことで役割分担をしている。
再整備に当たっては、公園施設が全体的に老朽化していることから、単なる施設ごとのリニューアルだけではなく、公園全体の抜本的な見直しが不可欠であると考えている。
そのため全体のゾーニングの検討や、令和4年度予算案の編成に当たっては、関係部局が一体となって議論を行いながら検討を進めた上で、各施設のより詳細な調査検討費や大学誘致関係経費などの費用をそれぞれの施設を所管する局に計上しているものである。
今後の進め方につきましても引き続き関係部局が適切な役割分担のもと、所管する施設の検討を深めながら、一体となって、庁内は勿論、議会や市民の方々とも丁寧な意見交換を行い、統一的な方針に基づいた事業推進に努めていく。
(三木)
大学の公募について、伺う。
「王子公園再整備基本方針(素案)」では、神戸の国際性や多様性を高める特色のある大学を誘致する方向性が示されていますが、公募はどのような基準や条件のもと実施されるのか?
また、公募の結果、大学誘致に繋がらなかった場合はどのように対応するのか?
(今西副市長)
大学誘致については、若年人口の減少や高度専門人材の育成確保といった全市的な政策課題の対応、さらには地域との連携による地域課題の解消や消費効果、経済効果の波及の観点からも非常に意義深いものというふうに考えている。
公募に係る詳細な基準条件については、今後検討をしていく予定であるが、進出する大学については、神戸2025ビジョンで目指す海と山が育むグローバル貢献年の観点に照らしてふさわしい、地域に開かれた競争力の高い大学を誘致していきたいと考えているところである。
令和3年1月の定例会見での表明以降、複数の大学から問い合わせをいただいている。
立地条件を踏まえれば、競争力の高い大学誘致の可能性は十二分にあると考えており、引き続き王子公園全体の再整備を市民にとって魅力ある内容にしていきたい。
(三木)
再整備の素案が出されてから維新の会の方でも、ホームページで「市民の方々に意見を募集」をさせていただきまして多くの方々からご意見をいただいた。
パブリックコメントの内容と重複するところもあるが、やはり周知や内容が良く分からないまま、どんどんと計画が進んでしまうのではないかと心配されている方が多くいらっしゃった。
大学の誘致に関しても、本当に大学を呼ぶ必要があるのかということも伝わってないっていうところがある。
私は大学を新たに誘致するという考えも分かるが、果たしてこの地が相応しいのかどうか。駅の集客が見込めるということだが、交通局海岸線は赤字であり、そうしたところを利用していただける場所にするとか、大学ではなくても例えば専門学校とか色々な選択肢があるのに、大学といういかにも決め打ちみたいな感じの印象を持つ。
この大学を誘致することによって、プールやテニスコートなどのスポーツ施設が廃止される
ことになると、多くの利用者の方が多くいらっしゃるわけであり、利用者の方も納得がいかないという声も多くいただいた。
そこで聞きたいが、まず、今後丁寧に進めていくということだが、各局で議論のぶつけかり合いがもっとあったのか不安に思っている。
例えば、文化スポーツ局で言えば、市民の健康促進の効果の観点から見て、大学をくるからと言って、果たしてスポーツ施設を廃止するのが良いのかどうか、そのあたりどれぐらい議論をぶつけ合ったのか、スポーツ施設をご利用されている方に対して、どういう説明や意見をお聞きするのか?
(今西副市長)
関係局で議論を行い素案をまとめた。
企画調整局が全体的な調整役となり関係局が集まり、議論をさせていただいた上でまとめた。
その視点では、この20年30年、将来の中長期的な神戸の発展そして地域の発展を見て、何が望ましいのかということの中で議論をした上で、大学の誘致というのが望ましいと結論になり、提案をさせていただいたということである。
本当に我々としてはこの大学、競争力のある国際性豊かな大学の誘致というのは大変重要なテーマであると思っている。
今後、市民の様々なご意見をいただいておりますので、丁寧に御説明をさせていただきたい。
(三木)
大学誘致を見直すのかどうか、素案を見直す中に含まれているのかどうか聞きたい。
(今西副市長)
今回の提案させていただいた中で、この大学というのは大変重要な要素であるが、様々な御意見をいただいているので、全体の御意見を踏まえた上で、一定の見直しを図らせていただきたい。
(三木)
王子公園プールには、私も毎年行かしていただいている。
子供用のプール2つと、広いプールが1つあり、観客席はかなり広いスペースとっている。
テニスコートの敷地も余裕があり、受付の小屋もある。
例えばプールの数を一つ減らすとか、テニスコートの小屋を王子スポーツセンターに集約するとか整理すれば、そのスポーツ施設を廃止しなくても縮小してでも維持できると思うが、このあたりの再検討も行われるということで良いのか?
(今西副市長)
ゾーニングや施設配置のあり方については、御意見をいただいた上で一定の見直しを図っていきたいと思うが、色々な可能性があると思うので、そういった可能性も含めて、検討させていただく。
(三木)
是非、検討いただきたいと思う。
登山研修所・ピラミッドウォールについてだが、
貸し会議場の他に屋外人口岩場やピラミッドウォール、室内にはボルタリングの施設がある。
これらは勿論、一般開放されているわけですが、利用率については、コロナの影響もあるが、
令和元年度 クライミング施設 大人2,412名 子供667名
令和2年度 クライミング施設 大人920名 子供610名(コロナの影響あり)
となっている。
利用率を見れば、より多くの人たちに利用していただくことを考えなければならない。
六甲道のほうには、ボルタリングが利用できる店舗もあるので周知をしていただいたり、コラボして企画や大会など行うなど、王子動物園に来た家族に対して、積極的に周知をして体験してもらう。市民には、登山研修所の施設の存在をあまり知られていないと思う。
今、現状ある施設に関しても多くの市民に利用していただくことも進めていく必要があると思うが?
(今西副市長)
登山研修所の話いただいた。
団体との間の話もあろうかと思うが、有効に活用するということは大変重要な視点であるので、団体ともそういった活用の方向について協議をさせていただく。
(三木)
王子動物園や園舎の老朽化が進んでおり、老朽化対策も行わなければならないと思う。
また、王子動物園をもっと大きくし、園舎ももっと広くするなど、環境を考えていく必要があると思うが見解は?
(油井副市長)
動物園については各園舎かなり老朽化しているところもある。
そういう中で再整備をするにあたって、1つは王子公園の中の動物園という限られた空間だが、指摘あったような園舎であるとか、使っていない園舎をどう活用していくのか、
今からの動物園として、やはり動物福祉に配慮するような形をしていかなくてはダメだということを含めて、再整備のプランを考えていきたい。
(三木)
今からパブリックコメントも内容もホームページで公開されるということだが、今回のパブリックコメントは市民の方々から寄せていただい意見ということであるが、私は今後、素案を見直すことも含め計画を立てていく上で、有識者からの意見を聞くのも1つの方法であり、
ネットモニター(※)の活用というのもしたら良いかと思うが、その辺りの活用についてはどうか?
※ネットモニター:インターネットを活用して、市民から市政に対するご意見を伺うとともに、市民に市政情報の発信を行うことを目的としたもの。
(今西副市長)
ネットモニターの活用も一つの選択肢であると思っているが、今後の進め方についてはこれから決めさせていただきたい。
いずれにしても、住民の方々との対話を通じて、様々な御意見をお伺いしながら検討を進めて参りたい。
(三木)
今後、色々な方の御意見を聞いていただき、利用者の方も地域の方も含めて、丁寧に進めていただきたいと思う。
王子公園は、駅前にあるという好立地だが、駐車場の整備については、カーボンニュートラルを進めていく上で、立体駐車場を整備して車で来ていただくことを進めていくのではなく、公共交通機関を積極的に使っていただくということも視野に入れながら進めていただきたいと思う。
王子動物園は赤字が続いている状況であり、税負担なしにどの様に運営をしていくのかも含め、今後は柔軟に整備計画案を立てていただきたいと要望する。