「がんの光免疫療法」について
「がんの光免疫療法」について、神戸新聞の朝刊1面(5/17)に掲載されておりました。
維新の高橋議員が長年にわたり、取り組まれておりました。
令和3年予算特別委員会「企画調整局」でも高橋さんに代わり、質疑をさせていただいたところです。
質疑内容はこちらから。
↓ ↓ ↓
http://www.mikishinjiro.com/activities/2021/03/1882/
光免疫療法とは(Wikipediaより)
光免疫療法(ひかりめんえきりょうほう、英: Photoimmunotherapy)は、がんに対して、光線力学療法と免疫療法を組み合わせた、開発中の新たな治療法の候補の一つである。2015年4月にアメリカ食品医薬品局(FDA)から臨床試験開始許可を受け、現在は臨床第3相試験を実施中。光免疫療法に使われる医薬品の第一号が2020年に日本において製造販売の承認を得ている。
略してPITまたは、近赤外光線免疫療法(NIR-PIT)とも呼ばれる。
【概要】
2011年11月6日、アメリカ国立がん研究所(NCI)と米国国立衛生研究所(NIH)の主任研究員である小林久隆らの研究グループが、『ネイチャー メディシン』誌上にて、その開発を発表した。
この療法は、特殊な薬剤と近赤外線を使いがん細胞を破壊するものである。近赤外線は、損傷を与えることなく生体組織内部に到達することが可能である。特定の細胞に抗体薬剤を結合させ、近赤外線を照射することで、その細胞膜を破壊し、破壊後の全ての抗体が免疫系に露出する。これにより、生体内で超選択的(非特異的)ながん細胞の死滅だけにとどまらず、破壊されたがん細胞の残骸に含有されるがんの特異的抗原に免疫反応を惹起するため、照射した箇所以外のがん細胞や転移したがん細胞にさえ効果を及ぼす可能性がある。日本では2018年3月から国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)において臨床試験のフェーズ1が始められた。アメリカ合衆国では2018年4月時点で既にフェーズ2が終わっており、米食品医薬品局(FDA)は承認審査を迅速に進める方針を発表した。現在の治験対象は、日米ともに再発頭頸部がん(鼻、口、喉、耳、顎など)だが、肺がん、大腸がん、乳がん、すい臓がん、前立腺がんに応用することが検討されている。アメリカのフェーズ2は、複数の病院で再発頭頸部がんを対象に計30例の治験が行われた。現在公表されているのはトーマス・ジェファーソン大学の7例だけだが、フェーズ1の8例が欧州の学会で公表されており、計15例のデータの閲覧が可能である。アメリカでの治験では15例のうち14例は再発頭頸部がんで奏効率93%、完全奏効功率47%の好成績を収めている。最初の治験の対象として頭頸部がんを選んだ理由を小林は、頭頸部がんは、口の中、舌、歯茎、頰、咽頭部、鼻など食道より上に発生するがんであるため、内視鏡などを使わなくても身体の外から光を当てればよいことを上げている。
小林らはNIR-PIT が、臨床的にがん治療のアプローチを根本的に変える可能性があると考えている[4]。アメリカ合衆国大統領バラク・オバマが2012年の一般教書演説で言及した[5]。小林によると、光免疫療法での複数の薬剤や、他の治療法(がん免疫療法や抗がん剤)と併用できる。外科手術による患部の切除、放射線治療、抗がん剤、免疫療法に続く「第5のがん治療法」と呼ばれることもある。
また、再生医療にも役立つ事が期待される例えば。例えばiPS細胞による臓器や網膜用の細胞シート(患者の自己細胞を培養してシート状にしたもの)の作成時に悪性の細胞が混入することで発がん性を示す心配が懸念されるが、そこにこの抗体を結合させて光を照射すれば、悪性の細胞を一瞬で全て破壊して除去する事が可能となり、他の正常な細胞にはダメージを与えずに安全なiPS細胞シートや人工臓器の作成が可能になる。
日本の関西医科大学は2022年4月、小林を所長として招き、専門の研究機関である「光免疫医学研究所」の設立を予定している。